人口およそ1万2000人。
日高の浦河町。
少子高齢化が進み競走馬を育成する担い手不足に悩んでいた場産地です。
そんな町に救世主として現れたのが、騎乗員としての技能を持ったインド人。徐々に増え、今や300人近くの人が浦河町で暮らしています。
最近は、浦河町から家族を呼び寄せ、家族で暮らすインド人ファミリーも増加。
38人が、家族滞在の在留資格で浦河町で暮らしています。
急激に増えるインド人に役場のヒンディー語担当者は1人だけ。
病院に付き添っての通訳や、インド人向けに資料の翻訳など、ヒンディー語がわかる人材の確保が急務でした。
■浦河町企画課若林寛之さん:
「ヒンディー語ができる人材が、町でも不足していまして」そこで、町は国の制度『ふるさとワーキングホリデー』を使って人材の確保に動きました。」
これは国が地方の活性化のため始めた取り組みのひとつで都会の学生などが休みを利用して一定期間地方に滞在し、地方の生活や文化を働きながら学ぶ、いわば国内版のワーキングホリデーです。
役場では今年から新たに、ヒンディー語人材の募集を始めました。役場自らこの制度を使って人材の確保に動くのは全国的にもめずらしいそうです。
こうしてこの夏、浦河町には縁もゆかりもなかった2人が道外からヒンディー語ができる強力な助っ人として浦河町にやってきました。
一人は大阪の大学3年生、八尾さん。
■八尾葵さん(大阪大学3年生):
「ヒンディー語専攻に所属しているので、普段からヒンディー語に触れ合っています」「浦河町の実情をこの目で見たい…。」
そしてもう一人はヒンディー語の講師や国際放送ラジオのヒンディー語スタッフを務めるなど、東京を中心に仕事をしている社会人の堀越さんです。
■堀越優美さん(埼玉県から):
「たまたまワーホリの情報を見つけて、しかもヒンディー語ができる人を募集ということだったので今回来ました」役場では、新しく小学校に入学するインドの子どものために入学のしおりや学校生活の心得などの書類の翻訳をしたり、郵便局の職員向けにヒンディー語の例文集の作成などに取り組みました。
そして2人は、2週間にわたる浦河町滞在の集大成として日本人とインド人とが交流するイベントを企画しました。
■堀越さん:「(ヒンディー語で)聞いてください、これから『モンスーンティーパーティー』を始めます、(日本語で)みなさん、待たせてしまってすみません」
今月13日に浦河町内で開かれたお茶会、「モンスーン・ティー・パーティー。」
日本人は地元の高校生など13人、インド人は子ども10人を含む21人が集まりました。会場では、参加したインド人が作ってきたインドの庶民的なお菓子ジャレービーも振る舞われました。
■参加した高校生:
「すごく甘くて、日本の文化とは違った食感や味が楽しめるのですごくいい経験になりました。」
■町民男性:
「なにかひとつ、分かりやすい言葉を教えてほしいです。」
■堀越さん:
「ヒンディー語の?」
■町民男性&女性:(聞き取ろうとして):「(ヒンディー語)難しいー。」
イベントのクライマックスには彼女らの出身のまち、インド・ラージャスターン州の宮廷舞踊、『グーマル』が披露されました。
食べて、話して、踊って参加した人は
■参加したインド人女性:
「日本人とインド人が集まって何かをすることはとてもいいことだと思う」「必ずまた参加します」
■町民女性:
「お互い遠目でいるなっていうくらいで、コミュニケーションが全くなかったので、こういう交流があってとても良かったです。」
イベントの企画から、ヒンディー語の通訳としても日本とインドの懸け橋として2人は交流の一役を担いました。
■浦河町企画課若林寛之さん:
「すごく優秀な2名に来ていただいて、本当に見ていてもヒンディー語を使いながら楽しくお仕事をされている姿を見ると、(ふるさとワーキングホリデーを)やってよかったなという気持ちでいっぱいです。」
浦河町は不足するヒンディー語人材を補うため冬の期間にも2人を募集する予定です。
地方でホリデーを楽しみながら働き、町の課題解決にもつながる『ふるさとワーキングホリデー』で人材不足を補う輪は広がっていきます。
■八尾さん:
「学生のうちだからこそ早い段階で体験させていただけたのもすごく価値のある事ですし、ここで携わらせていただいたお仕事、生まれたインド人との関係というのは財産だと思います。」
■堀越さん:
「もうちょっと(浦河町に)居たいです。」
Qまた浦河にきて何かやりたい?
「そうですねそれは100%、また戻ってきたいなと思います。」
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