第152回 明倫茶会「帰家穏坐(きかおんざ) ー心穏やかになれる場所に戻ろう」
京都芸術センターでは、開館より20年間さまざまな分野で活躍する文化人を席主として迎え、「明倫茶会」を開催してきました。
今回は、美術家の英ゆうさんを席主に、また庭師であり茶人である植彦さんをお点前に、初の試みとしてオンラインにて茶会を開催します。
テーマは、長く旅に出ていた人が、久しぶりに家に帰ったときに感じるような穏やかな気持ちを表現する「帰家穏坐」。
甘雨庵・植彦さんに煎茶のお点前を披露していただき、ご参加のみなさまには、オンラインにて同時刻にお点前を見ながら、それぞれご自身でお茶を淹れていただくことで、時間と体験を共有します。
みなで集うことが難しい時だからこそ、「一座建立」、お茶一服のひとときを分かち合う、穏やかな時間をお届けします。
茶会日時|2021年2月23日 (火)11:00- / 14:00- / 16:00-(各45分)
定員 |各席20名
オンライン茶会 イベント詳細
https://www.kac.or.jp/events/29675/
展覧会「作庭ひらく」詳細
https://www.kac.or.jp/events/29702/
【コンセプト】
オンライン茶会「帰家穏坐」は、京都芸術センターで開催する美術家の英ゆうさんの展覧会「作庭ひらく」をしつらえとします。
植木など自然のかたちをモチーフとした絵画作品は、どんな風景も作り出せる窓、もしくは何処へでも繋がる扉となって鑑賞者のイマジネーションをかき立てます。
それはまるで、室内に庭がひろがっていくように、うつくしい自然の世界を築き、閉じている世界をひらいていきます。
この展覧会の会期中に、絵画作品に囲まれた展示空間からオンラインでお届けするのが、このオンライン茶会です。
絵画作品によって庭を作り出す空間で、庭師であり茶人である植彦さんがお茶席を設けることでイメージを重ね、オンライン上で繋がっているみなさまの元へひろがり、更にそこからひらいていくことでしょう。
くつろげる場所からオンラインで繋がっていただくみなさまは、お点前を見ながら、ご自身でお茶を淹れてください。
みなさまがそれぞれの庭のイメージを思い浮かべながら、芸術センターの庭を軸にお互いに時間を共有することを目的とします。
また、英さんよりお茶会の当日に説明がありますが、もし展覧会の会期中に京都芸術センターに来館することができる方は、お茶会キットに同封する金箔をお持ちください。
英さんが祈りの意味を込めて花を重ね描いた花環の作品にその金箔を貼っていただくことで、みなさんが届けたい想いを、花環の扉から飛ばしてください。
京都芸術センターからイマジネーションの庭をひろげ、オンライン茶会でみなさまと繋がり、願わくば最後はみなさまに展覧会を訪れていただき、もう一度想いを遠くへ響かせる、この循環が今回の明倫茶会のコンセプトです。
コロナウイルスの感染拡大によってみなで集い語り合うことが難しい今、お茶の文化によってもう一度繋がりを再確認できたら幸いです。
【席主】英 ゆう | はなぶさ ゆう
1973年京都生まれ。大学院在学中Royal College of Art(イギリス)への交換留学を経て1998年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2004文化庁新進芸術家海外派遣制度によりタイ王国チェンマイにて滞在制作、2007年より京都市文化芸術特別奨励制度を受けてタイ王国バンコクにて滞在制作、2009年ポーラ美術振興財団在外研修員 2011年京都市芸術新人賞 受賞。2009年バンコクにて個展「Floating Illusion」PSG Art Gallery (日メコン交流年正式認定事業)、2010年個展「外を入れる」京都芸術センター(大広間)等、国内外にて展覧会多数。
【お点前】植彦(甘雨庵) | うえひこ(かんうあん)
1981年神奈川生まれ、京都在住。20歳より造園業を始める。25歳より煎茶道を始め、甘雨庵建築、露地作庭。36歳より自宅の茶室(甘雨庵)にて茶事を開催。
主催:京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
映像:嶋田好孝
音響:東岳志