アングラー取材 第5弾 会 一太郎さん @4月中旬の戸面原ダム [ガーミン フォース編]
■ガーミン フォース インプレ
先日取材させていただいた、戸面原ダムをホームレイクとするアングラー会 一太郎(あい いちたろう)さん。
前編:https://youtu.be/6at0xNpFMOI
後編:https://youtu.be/ThXgmbwfIkU
愛用エレキである「ガーミン フォース」に試乗させていただきましたのでインプレです。
素人アングラーのレンタルボート仕様は関東1号ではないか?というガーミン フォース。高額なハイテクエレキですので、使われているアングラーさんはほとんど見かけません。もちろん私もモノ自体を初めて拝見させていただきました。
(一太郎さん、貴重な機会をありがとうございます。)
じっくり乗らせてもらったので、その特徴をご紹介いたします。
■ガーミンフォースの仕様
ガーミン フォースは、魚探の知名度が高いガーミンがリリースしているエレクトリックモーター(電動船外機)です。
特徴は以下。
* 対応電圧は24V/36V(24Vで80ポンド相当・36Vで100ポンド相当)
* ブラシレスモーター搭載
* 20段階変速
* ワイヤレス
* リモコンによる操作が可能
* スポットロック機能
* GPSMAP8400シリーズ・ECHOMAP Ultraシリーズに使用できるGT54UHD-TM付き
ミンコタ ウルトレックス、ロランス ゴーストと共にハイテクエレキ市場’三つ巴の戦い’のうちの1機種です。
その他一太郎さん艇の仕様としては、バウデッキはサウザーのショートバウデッキにマウント。
魚探はガーミン エコーマッププラス95SVで、振動子はフォースに付属(エレキヘッドに内臓)のGT54UHD。振動子ケーブルがエレキシャフトの内部に格納されているため非常にスッキリとした艤装となっています。
ガーミン魚探のリンク機能も充実しておりマークした地点にワンタッチで行けるそう。そのため、ガーミン魚探との相性抜群です。
エレキのワイヤレスと併せてボートデッキ上をスッキリさせることが可能です。デッキ上を広くつかうことができるので、スペースの狭いレンタルボートスタイルへの親和性は非常に高いですね。
■ガーミンフォースのやべえとこ その1 ワイヤレス仕様
特徴としてはまずワイヤレス仕様であること。フットペダルもしくは後述するリモコンから電波を飛ばして操作します。ラジコンのようなイメージですね。
そのため、エレキ本体とペダルが完全に独立しています。物理的なワイヤが存在しないため、ボート上がスッキリ。ワイヤ切れのトラブルからも解放されます。
ペダルは驚きの単3電池×2本での駆動。1年程度は持つそうです。不意の電池切れの際はどこでも入手可能です。
■ガーミンフォースのやべえとこ その2 リモコンで遠隔操作
リモコンが付属しており、遠隔操作することが可能です。
極端な話ボートに人が乗っていなくてもOKで、無人状態のボートを操ることも可能です。(やったことはないそうですが)
リモコンでの基本操作は後述します。
■ガーミンフォースのやべえとこ その3 ブラシレスモーターで静粛性が高い
ブラシレスモーターを搭載しているため、静粛性が非常に高いのが特徴のひとつ。私のX5と比べると雲泥の差です。特に出力10ぐらいまでは、ほぼ無音でスルスルとボートが進みます。
静かにアプローチ可能というアドバンテージが得られますね。ただし、ハイバイパス(最大出力:20)時のみ音が大きめです。
そしてブラシレスモーターはパワフルさも特徴の一つです。
さらにブラシレスモーター&ノイズ対策済みなので、魚探映像がノイズレスで綺麗に映るのもメリットです。
■ガーミンフォースのやべえとこ その4 ヘッドのレスポンスがすごい
ワイヤレスで物理的なワイヤがないため、ペダルを大きく踏み込んだ際のレスポンスに優れます。
踏み心地はなんとも形容しがたいのですが、既存のワイヤータイプのエレキとは明らかに異なるフィーリングでやや軽めな印象。
最初は戸惑いますが30分も乗ればすぐに慣れる、とのこと。
さらに遠隔ということで操作に対するディレイが気になりそうですが、ほぼノータイムで反応してくれるのには驚きました。
■ガーミンフォースのやべえとこ その5 リモコンで遠隔操作
リモコンで遠隔操作することが可能です。ここでは基本的な操作方法をご紹介します。
まずプロペラマークを押すとペラが回り出し、モーターガイドで言う’コンスタントON’状態になります。
リモコンに十字キーがあり、左右のボタンでヘッドの向きを変えることができます。ボタンを押す時間に応じて、ヘッド角度の変化が大きくなります。
(長押しすると一気に向きが変わります。)
十字キー上下のボタンを押すことで、出力調整することができます。出力は20段階ですのできめ細かい調整が可能です。
本体上部のインジケーターに現在の出力レベルがLEDで表示されます。
安全のため、フットペダルを踏むとリモコンからの指示は解除されます。
リモコンによる操作は「難しいのでは?」と思っていたのですが、直感的なインターフェースで非常に分かりやすいのが印象的でした。
実際に私もほんの数分、一太郎さんにレクチャーしていただいて操船することが可能でした。
■ガーミンフォースのやべえとこ その6 ジェスチャーモード
ジェスチャーモードと呼ばれるモード。リモコンの「M」ボタンを押しっぱなしにすることで、リモコンとヘッドの向きを連動させることができます。
リモコン上部を向けた方向にエレキヘッドの向きが変わります。ハイテク感があって非常に楽しく操船できました。(これはぜひ動画をご覧いただきたいです。)
ただし、振り返ったときなど不意にリモコンの向きを変えてしまい、思わぬ方向に舵を切ってしまうこともあったとのこと。
ですので、あまり出力を上げてのジェスチャーモードは危ないかもしれません。
■ガーミンフォースのやべえとこ その7 ハイバイパスがめちゃくちゃ速い。
ハイバイパス(最大出力:20)も試してみました。14ft二人乗り、フル装備状態、鉛バッテリー(M27MF × 3)で9.5kmという驚異のスピードです。
ガーミン魚探のGPS測位での速度表示ですので参考値にはなりますが、実際に乗ってみると軽く恐怖を感じるほどのハイパワーでした。
2馬力エンジン船よりも速いそうです。
ただし先述したようにハイバイパスのみ静粛性よりも出力重視で、音は大きくなります。
ちなみにバッテリーは船首が下がることを防ぐため、リチウムイオンではなくあえて鉛バッテリーを使われているとのことでした。ガーミンフォース自体が重たいことも理由の一つです。(約30kg)
■ガーミンフォースのやべえとこ その8 スポットロック(アンカーロック)
スポットロックも実演していただきました。内蔵されているGPS機能を使い、自動で自船位置を固定してくれる機能です。
※’アンカーロック’と呼ぶのが正しいようです。’スポットロック’はミンコタのウルトレックス独自の呼び方みたいですね。
アングラーが全く操作していなくても、ウィーン、ウィーンとモーターが自動で作動します。
精度としては、だいたい2〜3mほどは船首の位置が動くようなイメージ。
さすがにビシッとほぼ一点。という感じでは無いのですが、それでも同じところへアプローチし続けたい時など重宝する機能なのは間違いありません。(リグり直すときにも頻繁に使うとのこと。)
また、バスボートですとより精度高くロックしてくれるのかもしれません。というのもレンタルボートは軽いため、フォースのパワーが余ってしまうのでやや無駄に動きすぎるそうです。
■ガーミン フォースの弱点
良いことづくめのガーミン フォースですが、弱点がないわけではありません。
まず一つ目には、既存のレンタルボート用エレキ(モーターガイド X5等)と比べてやや重たいことが挙げられます。毎回車からボートまでエレキを運搬するレンタルボートスタイルにおいて、装備重量はかなり大切な要素となります。
とはいえ実際に持たせてもらったところ、一般的な成人男性の体力であればさほど苦にならない程度ではあります。
さらに釣りをしている最中はペダルを踏み込む必要もなく、座って移動することも可能ですので体の負担は確実に減る方向で間違いないでしょう。
そして、やはり高価であることです。(単体で3000ドル、日本円で40万円以上。)もちろんハイテクな機能を満載しているため、その対価だと思えば妥当ではあります。
しかしレンタルボートスタイルに導入するにはハードルが高いようにも思います。