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梅沢富美男さん俳句集 プレバト俳句 句集完成までの道程

ヒッチ俳句 13,028 2 years ago
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◆今回の俳句 00:00 桐の花いつかは来ない紙袋 02:01 水玉の模様クロックスの日焼 03:22 暮れてゆく秋の飴色セロテープ 05:11 妻よりと楽屋見舞いの加湿器来 06:19 「最初はグー」聞こゆ志村忌春の星 07:53 春愁をくしゃと丸めて可燃ごみ 09:22 玉葱を刻む光の微塵まで 10:53 冷ややかや湖畔に肺の晒されて 12:09 縫い初めの楽屋朝日は母にさす 13:57 公園の夕焼煮詰まれば帰る 15:51 冬木立シャンパン色にさざめきぬ 17:43 湯玉ふつふつ春の厨の砂時計 #梅沢富美男 #永世名人 ◆梅沢富美男さんの俳句集① 永世名人までの軌跡の動画はこちら https://www.youtube.com/watch?v=KTN988lgO-U チャンネル主 ふせへのお問い合わせは下記メールアドレスへお願いいたします。 [email protected] #プレバト #俳句 #季語 ◆一部文字起こし 梅沢富美男さんの俳句を紹介します 桐の花 いつかは来ない 紙袋 自身100個目の俳句となります この俳句が永世名人になって初の句集掲載句となるわけですが永世名人になるまでの俳句集は別の動画で出してありますのでそちらをご覧ください 季語は初夏の季語「桐の花」です 初夏というのは5月頃ですね 2020年6月4日お題「紙袋」で詠まれたこの俳句 句意(俳句の意味)は桐の花は切ってもすぐに伸びて花を咲かせる その切られた枝の「いつか」が来ないように紙袋は「いつか」使おうと思いとっておいても使わないということだそうです いつかというところがポイントの俳句ですね お題が紙袋ですので紙袋あるあるが詠まれているなあと思うんですけれども 夏井先生は桐の花と上五(最初の5音)で始まることで何か高尚なことやロマンチックなことっていうのが俳句の中で表現されるのかなと思いきや下五(最後の5音)で紙袋と俗っぽいものが出てきてそのオチに向かって進める作者の意図というのを評価していました いつかという言葉がポイントだとさせていただいたんですけれどもこのいつかにかぎ括弧を付けるかどうかで悩んだという話を夏井先生はされていて一つでも添削が入ったら句集掲載決定とはならないこの状況がものすごくシビアなものなのだなと痛感させられたエピソードでした 今回はプレバトで梅沢富美男さんが句集を完成させるまでの道のりを紹介していこうと思います 水玉の模様 クロックスの日焼 季語は三夏の季語「日焼」です 子季語に日焼け止めもあります なかなか近代的な季語かなと思いました 俳句の意味は夏、クロックスのサンダルを履いた足に水玉模様の日焼けをしたということです 夏井先生は「語順の勝利」と評していました 「読み進めていくと色が変化する」っていう風に言うんですね まず上五(最初の5音)の水玉では水色・水玉の色というのを想像しますね そして下五(最後の5音)の日焼というところで肌にまだらについた水玉(模様)の日焼けの色というのが想像されます 水玉の水の色も日焼けの色も夏らしいですよね 夏らしい色を俳句の中で変化させていくという技が使われているんですね もうここまでくると溜息しか出ないような(夏井先生の)鑑賞なんですけれどもすごい戦いを梅沢富美男さんはしてるんだなあと感じますよね この俳句は句集掲載決定となります 暮れてゆく 秋の飴色 セロテープ 季語は三秋の季語「秋」になります 三秋というのは秋全般で使える季語のこと この秋という意味の広い季語にセロテープというチープなもので挑戦しているところがいいっていう風に夏井先生は言っていましたね 俳句の意味は秋の夕方掃除をしているとデビュー当時の写真が出てきたそうです 壁に貼っていたためセロハンテープが飴色に変色していたということです 夏井先生は中七(中盤の7音)秋の飴色というのが言葉の響きがいいっていう風に言うんですね 確かに秋の飴色言いたくなりますよね 口馴染みがいいです また秋の色って何って言われた時にこの飴色という表現がしっくり来ますよね ここで俳句全体の色を見てみると上五(最初の5音)で暮れてゆくと夕暮れの色というのをイメージさせます そして中七(中盤の7音)秋の飴色では秋の色、飴色というのが思い浮かび そして下五(最後の5音)セロテープで直前の飴色という表現とも相まって色あせた古いセロテープの色というのを考える人が多いのではないでしょうか 同じような色のものが三つ書かれているんですね この俳句東大生の鈴木光さんに俳句の優劣を競って負けてしまうんですけれども後々句集掲載決定となる俳句です これで負けるってどれだけレベル高いんだよって思いましたね 妻よりと 楽屋見舞いの 加湿器来 季語は冬全般で使える季語「加湿器」です 湯気立の子季語です 湯気立というのは湿度を高めるために火鉢などにヤカンを乗せて蒸気を出させるっていう季語なんですけども現代は加湿器なんですね 時代を感じさせる季語かなと思いました 俳句の意味はコロナ禍で自分以外入れない楽屋に妻から加湿器が届いたということだそうです 夏井先生はこの「と」というところを評価していました 「と」とすることで距離ができますよね 妻からですよと伝え聞いたことが表現できていると思います ここでコロナ禍で自分以外入れない楽屋という設定がこの一文字で少し表現されている気がして見事だなと思いました 2020年12月17日放送ということで見事に(当時の)世相を表した俳句かと思います 「最初はグー」 聞こゆ志村忌 春の星 季語は春全般で使える季語「春の星」です 子季語に春星 星朧なんていう言葉もありました 春の霞がかった空の星のことですね お題じゃんけんなんですけれども最初はグーの産みの親志村けんさんが亡くなって一年経つということで詠まれた俳句だそうで星となり見守っているのだろうかという思いさえ感じさせる俳句になっているかと思います 夏井先生は忌日の季語になるための流れのようなことを説明していました 俳句には忌日の季語というのがあって例えば正岡子規の忌日は「子規忌」なんていう季語となってるんですけれども 志村けんさんの忌日「志村忌」が季語になるためには今回のようにその季節の季語と一緒に詠まれていくという積み重ねや故人を思って「志村忌」として俳句を詠むその行為が大事だということを説明されていました 俳句の季語には種類があって時候・天文・地理・生活・行事・食物・動物・植物それに忌日を加えた分類がなされることがありますが季語ができるまでの道のりを考えさせられる俳句となりました こちら句集掲載句ではないんですが私が好きな俳句です 春愁を くしゃと丸めて 可燃ごみ 俳句の意味は春の嫌なことはくしゃと丸めて捨てましょうということですね 春愁という概念をくしゃと丸めると表現しているわけです 今回は下五(最後の5音)で可燃ごみと体言止めしています 体言止めというのは名詞や代名詞などの体言で語尾を止める手法のことですが今回名詞ですね 夏井先生は今までの梅沢富美男さんだったら捨てるとか更に説明する言葉を書いているはずだがそれが要らないと体で理解してきたのが分かるっていうふうに評価していました 見事句集掲載決定となるんですが俳句が没になるとシュレッダーにかけられちゃうんですね それに対する思いを春愁としてなんかくしゃと丸めてとシュレッダーを彷彿とさせるような表現で詠んでるんじゃないかなっていう邪推をしてしまったんですけれども見事な俳句ですよね プレバトの中で森口瑤子さんが 春愁を エスカレーター 地下へ地下へ という俳句を詠んだことがあるんですが同じ「春愁を」で始まる俳句ですがそちらも見事な俳句でした プレバトの芸能人の俳句集というのは他にもたくさん動画を作っていますので是非そちらもご覧ください 玉葱を刻む 光の微塵まで 季語は夏全般で使える季語「玉葱」です 子季語には葱に頭と書く「葱頭(たまねぎ)」もあって特に玉葱の形に着目したいときなんかはこちらの方が適している場面もありそうだなと考えさせられました 俳句の意味は玉葱を微塵切りにするそこに光が差し込んだそうなんですね まるで光も微塵切りにするようだとさせていただきました 夏井先生は観察眼と描写力を特に評していました 玉葱の色ってありますよね 皮を剥く前の玉葱、皮を剥いた後の玉葱そして切った後の玉葱で、今は微塵切りされている玉葱なんですがどんどん透明感を増してきますよね その色の変化に光が差し込んでさらに玉葱史上、透明感MAXになったところにこの光の微塵までという表現 これで詩になったということですね この季語だけで17音を形成する俳句の作り方を「一物仕立て」というんですが夏井先生は観察・発見・描写のそれぞれの精度が高くないとできないことなんだけれどもこの俳句では成功しているっていう風に言うんですね 夏井先生にそんなこと言われてみたいなって思っちゃいました 冷ややかや 湖畔に肺の 晒されて 季語は仲秋の季語「冷ややか」です 仲秋とは9月頃のことですね 冷やかっていうのは肌感で感じる冷たさのことで冬の季語「寒し」になると体全体で感じる寒気みたいなものを表現するそうです 夏は涼し秋は冷ややか冬は寒しと進化するように見える季語もありますね 俳句の意味はそんな秋の日、湖にいるそうですね 冷やかだなと感じます 湖の澄んだ空気に肺が晒されるようだとしている俳句かと思います 夏井先生は下五(最後の5音)で晒されてと連用形にしてるところを評価してました 余韻もいいと言ってましたね 「肺の晒される」よりも「肺の晒されて」の方が湖で呼吸する時間っていうのが長くなりそうです これが功奏して読み手にももう一度俳句の世界で呼吸させるようなそんなところまで企んでいるっていう風に夏井先生はおっしゃっていました 素晴らしい鑑賞ですよね 縫い初めの楽屋 朝日は母にさす 季語は新年の季語「縫い初め」です このように◯◯初めで新年の季語となる季語はたくさんあります 新年というのは1月の中でも特に始めの時期を新年といって12月の終わりのことを暮れともいいます その2つと春夏秋冬4つの季節をそれぞれ3つに分けた12個これを足して14個の季節で季語を分類することがあります 俳句の意味はそんな新年亡き母が自分が女形を演じる際の衣装っていうのをいつも縫ってくれたそうなんですね お正月も変わらずに縫ってくれたということなんですがその時さした朝日は母に向かってさしていたのだろう母のために朝日があったのだろうという思いを詠んだ俳句かと思います 夏井先生は映像だけで思いを伝えていると評価していました 俳句の中に気持ちというのを表す言葉はありませんよね しかしこの俳句を一読しただけで母への感謝 母への愛 母からの愛いろいろな感情が伝わってきます 気持ちを言葉で書くのではなく映像を書くことでその奥にある心情を読み取ってもらうというのが俳句のポイントになってくるんですね これと同じ趣旨のことを最新のプレバトの回でも梅沢富美男さんがゲストの芸能人に伝えるという場面があって編集をしながら、(あ、こんな俳句を作りながら そんなことを思ってたんだろうな)っていうふうに思いましたね 映像から感情を伝えさせる見事な俳句でした 続きは動画で!

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