【バリ子との出会い】
バリ子の納車は、自宅から約４０㎞離れた羽生市という所に取りにいきました。
今では絶対にタブーなTwitterでの取引で、１６万という破格でバリ子は売られていました。
当時１６歳…セブンのバイトで頑張って稼いだ１６万を握りしめ、ワクワクと緊張の気持ちでバリ子を迎えにいったのを今でも覚えています。
電車で１時間くらいかけ、いざ羽生駅に着いたら、２５歳くらいのお兄さんがいました。
「Twitterの方ですか？」１６歳の僕は、ビビり散らかしながらお兄さんに声をかけました。
僕の心配をよそにそのお兄さんは、凄く気さくにバリ子のカスタム点や、思い出を語ってくれ、現車確認や書類のやり取りなど淡々と取引は進んでいきました。
何でもお兄さんも僕と同じように初めてのバイクがバリ子で、９年もの間、大事に乗ってきたとの事。
取引も大詰めを迎え、後は引き渡しのみとなった時、唐突に「最後に少し走ってきても良い？」とお兄さんが言い出しました。
どことなくお兄さんの顔が寂しそうで、僕に断る理由なんてありませんでした。
お兄さんは嬉しそうにバリ子のエンジンをかけ、羽生の夜を爆音で走りはじめました。初めてバリ子のOVER RACING製マフラーの爆音を生で聞いた私はすでにワクワクでいっぱいでした。
１０分ほどでしょうか。お兄さんがスッキリとした顔で戻ってきて、「どっかで抜いてきたんかな」と最初は思いましたが、どうやらバリ子と離れる決心がついたようでした。
「大事にしてね」そう声をかけてもらい、バリ子を受け取り、緊張とワクワクの気持ちでエンジンをかけました。
お兄さんに別れの挨拶を告げ、おぼつかない運転で夜中の１２２号線を駆け抜けました。
「少しだけふかしてみようかな」そう考えた私は、スロットルを思いっきり捻ってみました。
ﾌﾞｫｫｫｫﾝ!!!とバリ子の咆哮が響きわたりました。
本当に脳汁ものでした。
確実にあの瞬間にバイクに魅了されたんだと思います。
本来１時間３０分で帰宅できる所を寄り道しまくったり、写真を撮りまくって、３時間くらいかけてウキウキで帰りました。
なんとなくお兄さんが９年もの間バリ子を手放せなかった理由が分かった気がしました。
そんな僕もバリ子の咆哮に魅了され続け、もう１０年。
故障も多いし、冬はエンジンつかないし、おしがけ必須だし色々大変だけど、愛すべきポイントが多すぎるんですよね。
確実に僕のバリ子はバイク童貞キラーです。
お兄さん！！元気してますか！！僕もしっかりバリ子の虜です！！
そしてバリ子！！絶対に治してやるからな！！これからも愛してんぞ！！
ＢＮＢＮ
#左金グローブ
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