15日、直木賞の受賞が決まった伊与原新さんの短編集「藍を継ぐ海」。収録されている短編の1つの舞台となった遠軽町では喜びの声が上がっています。
永山友菜記者)
「遠軽町の図書館では、入口を入ってすぐのところに早速受賞を祝うコーナーが設置されています。受賞した作品は貸し出し中で予約が続いているということです」。
直木賞作品の舞台となった遠軽町。地元はちょっとしたフィーバーです。
遠軽町図書館司書・細川恵子さん)
「今の時点でうちでは5人予約が入っていて、普通の予約よりはちょっと多いかな」
遠軽町民)
「すごく印象に残った作品でした。(舞台は)遠軽町白滝というすごく奥地ですけれど、そこを知ってくださる方が増えるといいなと思いました」。
伊与原新さんの短編集「藍を継ぐ海」に収められている「星隕つ駅逓」。描かれているのは遠軽町の白滝地区。物語はそこに隕石が落ちたことから始まります。
一人の女性が父の働く郵便局の名を隕石に名づけることでその土地の記憶を継承していこうとするストーリーです。
作品では集落など白滝地区の街並みがありありと描かれています。物語の「カギ」の一つが郵便局。登場人物の勤務先として描かれるのが実在する「白滝郵便局」です。
白滝郵便局・中田卓也局長)
「話題になる前から好きな作家さんでしたので発売されてすぐ買って読みました」(Q:読んでるうちに(郵便局が)舞台だとわかった時どう思いました?)「びっくりしましたよね、どうしようかという感じで。自分の中だけで盛り上がってて感じでした」。
物語の中で隕石が落ちた場所として描かれているのが麦畑です。白滝地区の「えづらファーム」をイメージして書かれたといいます。
えづらファーム)
「まさかと思ってすごくびっくりした。置きっぱなしの麦ロールを隕石が貫通して麦畑に落ちちゃってというシーンがあって、それがこの麦ロールかな。このお話が地域に伝わる大切なものを守っていくということがテーマになっていると思うんですけれど実際に遠軽町には白滝にはそういう活動をしている人がたくさんいるのですごく共感したり励みになったりするのではないかなと思います」。
実は遠軽を訪れたことはないという伊与原さん。なぜ舞台として遠軽を選んだのでしょうか。直接、聞いてみました。
伊与原新さん)
「北海道らしい原野みたいなところも残っている地域がいいなと思って道東を考えていた。(友人の)黒岩真美さんというクラリネット奏者の方が遠軽が地元で、彼女から遠軽の素晴らしさと美しさを何度も聞いていたものですから、遠軽がいいんじゃないかと考えました」。
伊与原さんの友人で遠軽町出身の黒岩真美さん。お互いに留学していたパリでの会話が作品に繋がったのではと振り返ります。
伊与原さんの友人・黒岩真美さん)
「(パリが)北海道にすごく似てるなって(思った)。空も広いし、気候の感じも。私が出身の遠軽にすごく似ているみたいな話をたぶん熱く語っていたんだと思います。それを伊与原さんが覚えていてという感じだと思います。今回選ばれて、すごく友人としてもうれしいですし、またこの賞を取ったことで、多くの人に伊与原さんの作品を読んでもらえたらうれしいなと思っています」。
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