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コメの販売店社長「減反政策の影響が吹き出してしまっている」“おむすび屋さん”に方向転換する店も…「ちょっと先がないなと」

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備蓄米放出が決まりましたが、コメの価格はしばらくは元にはもどらないという声があります。こうした中で「おにぎり」に注目です。 (大石邦彦論説委員)「お米屋さんが数多くある激戦区、名古屋市千種区に来ています。そこで、お米屋さんをやめて、おにぎり屋さんを始めたのがこちら」 (客)「今買ったよ!梅。これが美味い」去年8月、名古屋市千種区にオープンした「おむすび一丁目」。岐阜県産のコメと長野県産のコメのブレンド米で作ったおにぎりは、1日におよそ150個販売されます。 (大石)「おいしい。至福の時です」 (客)「何でも美味しい」 お米屋さんがなぜ「おむすび屋さん」に? (大石)「米販売店をなぜやめた?」 (おむすび1丁目 伊藤一浩店長)「やっぱりこの前あった米不足。スーパーに陳列されなくなったように、我々も米が手に入らなくなった。『ちょっと先がないな』ということで」 70年以上コメの販売を続けていましたが、価格高騰で仕入れや販売が大きな負担になり、苦汁の決断…おにぎり販売店への方向転換を決めたのです。 (大石)「卸しの時はどのくらい顧客がいた?」 (伊藤店長)「一般客の顧客を含めて200件くらいあった」 (大石)「それがどのくらい減った?」 (伊藤店長)「去年はかなりお断りしたのもあったので、本当に7割なくなった」 先が読めないコメの価格 いまも扱う長野県産の米の仕入れ値は、60キロが去年は約3万7千円だったのが、現在は4万8千円ほどに。1万円以上も値上がりしています。(伊藤店長)「正直僕たちもパニック。想像をはるかに超えて価格が変動しているので、先が読めない」 去年おきた令和の米騒動から続いている逆風の嵐。伊藤店長は、3月からは、おにぎりは20円、おかずとのセットについては50円、値上げする予定です。 (大石)「それだけ仕入れ値が高すぎる?」 (伊藤店長)「我々飲食店も、家族を抱える一般家庭も大変だと思う」そして、今回の国の備蓄米放出の知らせを受けて思うことは? (伊藤店長)「(値段は)値段は僕らもわからない。ただちょっとは落ち着くんじゃないかとは思う。落ち着いてもらわないと困る」 別の老舗販売店「30年以上になるが、今が一番大変」 一方、創業は大正時代前期という、同じく千種区内の「米 伍代目善太郎 小川屋米穀店」。 (米 伍代目善太郎 小川屋米穀店 小川潤社長) 「この業界に入って30年以上になるが、今が一番大変」創業以来、コメの卸売りが中心でしたが、10年ほど前からおいしい米をアピールしようと店頭での小売りを始めました。 老舗ならではの「こだわり米」が並ぶ店内 一番人気は長野県内の標高の高い棚田で作られているブランド「山紫水明」ですが、卸売価格が上がり店頭価格も上げざるを得ず、買ってくれる客は減っています。 (大石)「『湧水天高米』、『箱入り娘 ゆめおばこ』、『風さやか』…ブランド米の中でも、特にこだわり感を感じる」(小川社長)「専門店としてこだわって、消費者に喜んでもらう、そういった商品を全国から見つけてきて、橋渡しするのが使命だと思っている」 一番人気は、長野県内の標高の高い棚田で作られているブランド「山紫水明」ですが、卸売価格が上がり店頭価格も上げざるを得ず、買ってくれる客は減っています。(小川社長) 「米の売れる数と客の数は減っている。米の単価自体は上がっているので、全体としての売り上げは下がっていない。でも米離れが一番心配」 去年は天井近くまでコメ袋が積まれていたが… コメ価格の高騰は、市場からコメが消えたことが理由のひとつと言われていますが、この老舗米穀店の倉庫を見せていただくと。 (大石)「コメ袋が積まれていますね。例年と比べどうですか?」 (小川社長)「例年の在庫は天井近くまで高く積みあがっている。前はこの辺りまでコメが並んでいて天井まで積まれていました」(大石)「お米は仕入れにくいですか?」 (小川社長)「仕入れにくい。苦労しているが、契約農家、JA、卸売業者など複数の仕入れルートを確保しているが、今はどこも厳しい」 深刻なコメ不足、江藤農水大臣は1月31日、「お米はどこかにスタック(停滞)していると考えざるを得ない」と説明していますが、小川さんは実は根本的な問題 があると指摘します。 プツプツと黒ずむお米…「カメムシです」 仕入れた玄米を精米してもらいました。 (大石)「コメ全体の色がプツプツと黒くなっているのは?」 (小川社長)「イネカメムシです。商品価値はなくなります。温暖化の影響で、コメの繊維自体ももろい感じがする」 「コメのない原因の根本は減反政策」 これまでの猛暑の影響で、米粒が小さかったり割れたりして精米すると商品にならないものが増えたと言います。そして、問題は他にも。 (小川社長)「コメのない原因の根本は減反政策、生産調整は今も続いている。減反政策の影響が今、吹き出してしまっている」国が米余りから価格が暴落するのを防ごうと、直接生産目標を決め水田を減らしてきた減反。2018年に減反は廃止されましたが、その影響は今も続いています。 (小川社長)「安定した価格でコメをお客さんに届けたい」 関係者の苦悩はまだまだ続きそうです。 詳細は NEWS DIG でも!↓ https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/1747276

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