隠蔽配管のエアコンの更新工事などでは古い内外接続電線(内外連絡線)を再利用しなければ大変なことが多々あります。しかし、その長さが短すぎて足りない場合どうすればよいか。特に屋外でどうやって延長するのか?エアコン各メーカーの据付工事説明書で私が調べたところではすべてのメーカーが途中接続を禁止しています。業界団体である日本冷凍空調工業会も禁止しています。経産省所管のNiteもわざわざ動画を作って大変な火災になると禁止しています。
じゃあ、いったいどうすれば?
線がちょっと足りないだけで、壁をめくったり穴を開けたりして新しく電線を敷設するんですか。
そんなのやりたくない!
むしろ、古い電線でも使えるものなら使いたい。お金も無駄だし、まだまだ使える電線を使わないなんてもったいないし、何よりそんなに大そうな工事を何で今さらやるの?と疑問に思います。
SDGsって言っているのにメーカーもNITEもどうして前の電線を利用して途中接続したら大変なことになりますよ、なんて言うんだろう。
要するに何かあっても責任持ちませんよ、保証しませんよということなのだと思いますが、しかし、どうなんですか。私は正しい方法で途中接続して、どうして問題が起きるのか、逆に不思議でなりません。何も問題ないはずですよ。問題が起きる方がおかしいじゃないですか。それが問題なら家中の配線が問題になります。
電気工事において電線相互の接続は内線規程に従って正しく行えば問題ないはずなのに、途中接続すればそれが原因でない故障も全部メーカー保証の対象外になるって言っているメーカーもある。要は途中接続にはペナルティーがある!?それってメーカーの勝手と言えば勝手ですが、私はそのメーカーに対して悪い印象を持ちます。何だか変です。問題のないことをしているのにそれを理由に関係ない故障も全面的に保証しないのは意地悪じゃないですか。言う事をきかせるために威圧されているような印象を持ちます。
途中接続による事故は確かに報告されていますが、途中接続自体が悪いことではなく正しい途中接続の方法でやっていないことが問題じゃないですか。途中接続禁止ではなく、途中接続の正しい方法を周知すべきです。
内外接続電線(内外連絡線、渡り線)には家庭内の電気配線と同じ電気が通っています。家の中の電気配線はさまざまな場所で分岐したり、途中接続されています。それができなければ配線工事は成立しません。同じ電気が通っている内外接続電線にだけ途中接続を禁止するのは間違っています。事故があるなら、なぜ事故が起きたのか原因を分析して事故が起きないような方法を示せば良いでしょう。エアコンの内外接続電線が家の天井裏などの配線と違うとすればドレンや雨水による水気や湿気です。屋外部分もあるので注意が必要です。
NITEの動画のように屋外で差し込みコネクタを使用し、冷媒管と共にテープ巻きをするなどは言語道断です。雨露にさらされる場所、水気や湿気のある場所での接続方法はそれらの悪条件を無くしたり避けたりするような正しい接続方法があります。
例えば室内機近傍なら、ドレンの水気の影響を受けないようにドレンパンより上に接続箇所を設けます。さらにいつでも点検できるよう開閉できる蓋が壁面にあるボックス内で接続すれば良いでしょう。屋外でしたら雨露や水気をさけるために防雨、防水型のプルボックスを設置してその中で接続すれば良いでしょう。
それを示さないで安易に禁止で片づけるのは乱暴だと思います。一律に禁止とするのではなく、事故の原因を分析してどうすれば事故を防げるのかという方策をよく考えて実行することが安全につながります。ナイトの動画は単に危険を煽って思考停止を招くだけの内容です。
「考えることをやめる」それこそが最も危険であると私は考えています。
★素朴な疑問ーエアコンは謎だらけー
動画ではこれでもか!と言わんばかりに防水のプルボックスの中でリングスリーブによって接続していますが、そこまですることもないと思います。防雨型のボックスで十分です。ただし差し込みコネクタは屋外で使用できないとされているので使用すべきではないでしょうが、本音を言えばこれも「何で?」という疑問があります。もちろん差し込みコネクタには水かかかってはいけませんが、防雨ボックス内なら問題ないのではないでしょうか。それがだめならエアコンの室外機の端子台の差し込み接続は何でかまわないのでしょう。エアコンの端子台の構造は差し込みコネクタと全く同じです。それは良いのに差し込みコネクタはダメだというのは全く腑に落ちない話です。そして、2mm指定のものは1.6mmだと接触不良を起こすというのも謎です。あらゆる差し込みコネクタや差し込み式の電気器具(コンセント、スイッチなど)は2mmと1.6mmの両方に対応しているのにエアコンの端子台だけ何で2mmにしか対応していないのか。全く腑に落ちないです。
目次
00:00 内外接続電線の途中接続【屋外編】
00:56 室外機が前のエアコンより大きいので延長したい
01:13 途中接続の方針
01:39 防水型プルボックスの穴あけ
02:38 プルボックスの取り付け
02:59 PF管の取り付け
03:30 PF管コネクタの接続解除方法
03:51 水抜きの必要性
04:05 VVFケーブルの接続リングスリーブテープ巻き
07:13 プルボックスのコーキング
08:05 ほとんどのメーカーは途中接続禁止
09:43 内線規程に則った方法なら問題ない
10:45 エアコンの渡り線は電気工事だが水気や湿気に考慮すべき
11:51 途中接続禁止よりも正しい接続方法を示すべき
12:48 途中接続についてメーカーに質問した
経産省資料
エアコン設置工事に伴う電気工事士法・電気工事業法の規制
内外接続電線相互の接続は「電気工事」 であり「電気工事士資格」が必要
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/AChyou.pdf
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