動画内の各設定時間、端数切り上げ前の「低温調理 加熱時間基準表(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」に基づいております。
安全上問題はございませんが、調理いただく際は「低温調理 加熱時間基準表(鶏肉)(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」に従ってBONIQ設定をご決定ください。
設定温度によって鶏もも肉の状態がどのように変化するのか?8パターンで比較実験!比較実験背景やくわしい実験結果は↓にて^^
【カロリー 280 kcal、糖質 0 g、タンパク質 22.7 g、脂質 19.6 g/食】
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BONIQ公式レシピサイト【鶏もも肉の火入れ 温度時間比較実験】
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「鶏もも肉」、それは最も身近な食材の一つであるが、低温調理において筆者自身がまだ仲良くなり切れていない食材の一つでもある。例えば「鶏むね肉」であれば設定60~63℃あたりで間違いないものが出来ると確信があるが、鶏もも、特に”鶏もものステーキ”となるとまだこの温度がベスト!と言い切れないのである。
例えば60℃で調理した場合、柔らかくてジューシーなのは間違いないが、“ぐにゃっとした食感”があり、本当に火が入っているのか?とやや不安になりさえする。(もちろん、きちんと肉の厚さに対する設定時間を守れば、加熱殺菌はされている。)
もっと設定温度を高くすると、肉のタンパク質収縮が起きて“ぐにゃっとした食感”は減り歯切れが良くなるが、ジューシーさは失われるだろう。
そこで、設定温度によって鶏もも肉の状態がどのように変化するのか?目安となる加熱チャートがあれば、今後さまざまな料理に合わせて理想の状態に仕上げやすくなる。
鶏ももをBONIQにて、
①60℃ 1時間25分
②63℃ 1時間
③65℃ 55分
③65℃ 55分
④70℃ 55分
⑤75℃ 55分
⑥80℃ 55分
⑦85℃ 55分
⑧90℃ 55分
それぞれ低温調理を行った。
注1)この鶏ももは”ステーキ”を想定しており、”煮込み”ではない。(煮込みの場合、長時間調理するとコラーゲンが分解されて肉が柔らかくなるが、ここには当てはめない。)
したがって設定時間については、2cmの鶏肉を低温調理する上で、必要な加熱殺菌時間(芯温が設定温度に達するのにかかる時間+殺菌時間)に基づいている。
※参照:加熱時間基準表「鶏肉の加熱温度時間(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」
ちなみに、以前「38℃~ サーモンの火入れ温度比較実験(https://boniq.jp/recipe/?p=14787 )」を行ったが、この時はそれぞれ温度別に一律30分とした。それは、生食用サーモンを使ってはいるが38℃~という低い温度帯で長時間調理すると、逆に食中毒菌を繁殖させてしまうおそれがあるため、芯温が設定温度に達したらすぐに引き上げる必要がある。生食用サーモンとは違い、今回の鶏もも肉に関しては殺菌時間が必要である。
注2)通常”鶏もものステーキ”を作る場合、低温調理前もしくは後に皮目をフライパンで焼く。しかし今回は厳密に設定温度別の鶏ももの身の火の入り具合を比較したいので、皮を焼くことによってやや肉内部まで加熱してしまう、という事態を避けるために皮目は焼かずにそのまま低温調理する。
注3)塩をするタイミングは「60℃ 鶏胸肉 低温調理 塩タイミング比較実験(https://boniq.jp/recipe/?p=4045 )」や「57℃ ローストビーフ低温調理 塩投入比較(https://boniq.jp/recipe/?p=4485 )」に従って、それぞれ低温調理後に塩を肉に含ませる方法を取る。(実験では初めから塩をして低温調理すると、上記方法の場合よりも肉が硬くなることを証明した。)
【BONIQ設定】
①60℃ 1:25(1時間25分)
②63℃ 1:00(1時間)
③65℃ 0:55(55分)
④70℃ 0:55(55分)
⑤75℃ 0:55(55分)
⑥80℃ 0:55(55分)
⑦85℃ 0:55(55分)
⑧90℃ 0:55(55分)
【材料】
・国産若どり 鶏もも肉(一番厚みのある箇所で2cm) 各1/2枚(約140g)
・塩 各1.2g(肉の重量の0.9%)
【比較実験】
鶏もも肉の筋と余分な脂を切り落とし、1枚を半分にカットする。(火通りや肉質が不平等にならないよう、ももの上部と下部がどちらも入るよう縦にカットし、全て重さは同じものとする。)
フリーザーバッグに入れ、それぞれの設定温度・時間で低温調理をする。
BONIQ終了のタイマーが鳴ったらフリーザーバッグを引き上げ、バッグに塩を投入して肉に塩を含ませ、バッグごと氷水で冷却する。(肉に塩を含ませるためと、全ての温度帯の鶏ももが出揃うまで時間差が出来るため、冷却して待つ。)実食の際は全て60℃の湯せんに浸けて温め、同じ温度での肉の状態を見る。
フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
【比較実験結果】
まず、バッグに溜まったドリップの量を見てみると、
①60℃ 6g
②63℃ 10g
③65℃ 13g
④70℃ 16g
⑤75℃ 21g
⑥80℃ 26g
⑦85℃ 28g
⑧90℃ 35g
となり、温度が上がるに比例してドリップが多くなった。これは温度が高くなればなるほど肉のタンパク質の収縮が起こるからとみられる。また、ドリップの色は①②が赤っぽく、③→⑥ピンク、⑦⑧は黄色っぽくなり、温度が高いものほど透明度が高くなった。
次にもも肉の見た目であるが、
①②は断面がピンクがかっており、これをもし安全に調理された低温調理だと知らなければ「生なんじゃないか」とドキッとさせるような色である。(4分割画像ではカットしてすぐに撮影したが、次の画像は10分後のもの。どんどんピンク色に変色した。)③④は均一で美しい白に仕上がり、⑤~⑧は一部がグレーがかって身がやや縮んでいるのが見た目でもわかる。
そして実食すると、
①60℃と②63℃は差がとても少ない。どちらも柔らかくぐにゃっとした感じがあり、①の方がよりぐにゃっとしているが、どちらがどうかは同時比較しないとわからないレベルである。
③65℃は①②よりも身がやや引き締まっているが、歯切れが良く柔らかい。ジューシーさも失われていない。
④70℃は③よりもさらに身が引き締まり、歯切れが良くとても柔らかい。やや繊維質を感じ始める。ただ、ジューシーさは十分ある。
⑤75℃はややジューシーさが失われているが、パサつくほどではない。歯切れ良く、まだ十分に柔らかい。
⑥80℃→⑦85℃→⑧90℃と温度が高くなるにつれさらにジューシーさが失われていくが、パサつくほどではない。歯切れが良く、まだ十分柔らかい。
以上を総合して個人的な見解では、
「③65℃ 55分」に軍配!
“ぐにゃっと感”がないが最大限に柔らかく、ジューシーさを全く失わず、歯切れも良い。見た目にも均一の美しい白で、食べ手を不安にさせず、鶏もも肉の美味しさを存分に引き出していると言える。
やや火通りが浅く感じる①②では、やはり「60℃ 油淋鶏(ユウリンチー)鶏肉の甘酢がけ(https://boniq.jp/recipe/?p=5366 )」のように、低温調理後にさらに揚げたりする料理(衣をカラっと短時間で揚げるが、若干中にも余熱で火が入る)に適しているのではないか。また、「鶏もも肉のステーキ」も低温調理“後”に皮目を焼く場合には若干内部に火が入るかもしれないので、その場合にはちょうど良いかもしれない。
(後日行った〝皮目を低温調理「後」に焼くか「前」に焼くのが良いか〟の比較実験→「鶏ももステーキ 皮の焼き方比較実験 https://boniq.jp/recipe/?p=17133 」)
④~⑧はタンパク質の収縮がさらに起きる温度帯であるはずなので、もっとパサつきや身が縮みがあるかと想像していたが、実際は若干肉からジューシーさが失われているものの、充分柔らかく、歯切れよく、どれも間違いなく美味しいものであった。⑧90℃のものでさえ、食卓にこれが出てくるならば間違いなく美味しいと思う。ただ、ドリップが多く出てしまうので煮汁も生かす料理、例えば「95℃ 簡単なのに完璧!筑前煮(https://boniq.jp/recipe/?p=6328 )」では出汁を使わず少量の調味料と野菜や鶏肉が持つ水分だけで調理しているが、このような煮物に適していると思う。
【作った感想】
今回の実験で、そのまま鶏もも肉をダイレクトに味わう“ステーキ”や“蒸し鶏”のような料理は、65℃が適しているのではないかと思いますが、90℃付近でも十分柔らかく美味しいのは驚きでした。
これでまた鶏ももを使った料理の可能性が広がったのではないかと思います。
仕上がりは個人の好みによるところも大きいと思いますので、実験結果を参考にぜひご自身の最適温度を見つけてみてください。
【おすすめの低温調理 鶏もも肉レシピ】
お肉がほろほろ鶏もものコンフィ https://youtu.be/deq3D1vy2n0
香ばしい!鶏の照り焼き https://youtu.be/KaUQOepTHTk
チキンステーキ トマトソース https://youtu.be/wyYDfP2hqws
油淋鶏(ユウリンチー)鶏肉の甘酢がけ https://youtu.be/SNI8zg_y3GY
鶏ももソテー エスニックトマトソース https://youtu.be/E4XfIYEZ1Z0
ほろほろ、骨付き鶏もも肉の香草焼き https://youtu.be/mFIU3zxhG1Q
簡単なのに完璧 筑前煮 https://youtu.be/osHkph9WCK0
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【低温調理とは?】
タンパク質が縮まず、肉汁流出が最小限でとどまる低温度帯で加熱することが、美味しいお肉を調理する秘訣。そんな、プロシェフが使う調理技術がボタン一つで簡単に再現できるようになった、画期的調理器具。
端から端までミディアムレアに仕上がる低温調理で、固くなりがちな赤身肉や鶏むね肉なども、驚くほどみずみずしくしっとりジューシー。感動の美味しさに仕上がります。
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など、さまざまな面から食習慣をランクアップしてくれます。
塊肉はもちろん、魚介類や野菜、スイーツやドリンクなども調理できます。
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