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窓強化!内窓は遮熱型か?断熱型か?

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今回は、「内窓は遮熱型か、断熱型か」について解説します。 最近、窓の強化をして快適な暮らしを実現しようという流れが、行政の支援もあって進んでいます。その中でも内窓は、既存の住宅において特効薬、切り札的な存在として注目されています。内窓は、住宅の性能を向上させる目的で多くのお施主様に採用されていますが、実際に設置した際には、成功したケースとうまくいかなかったケースがあります。そこで本日は、内窓のガラス選びについて解説していきたいと思います。 まず、改めて内窓とは、建物の壁にある外窓(外周部分の窓)の室内側に、50cm以内の距離で、もう1つ並行して窓を設けるものの総称です。これが内窓の基本的な定義になります。 特に最近、内窓が人気を得ている理由の1つに、国からの助成金が挙げられます。この助成金は、内窓設置の費用を大きくサポートしてくれるもので、例えば1軒あたり約100万円の費用がかかる場合、約半額を国が負担してくれるものです。これは本当にすごい支援だと思います。なお、この助成金を受け取るためには、内窓が「50cm以内の距離に設置されていること」や、「外窓と並行していること」が条件となります。内窓を斜めに設置した場合も助成金の対象外なので注意してください。また、内窓のガラスが「シングルガラス(単板ガラス)」の場合、内窓と呼んでも問題ありませんが、助成金の対象にはなりません。 そこで、今日解説したいポイントとしては、内窓はペアガラス(複層ガラス)以上、つまりダブルガラス以上のものを採用する必要があるということです。このように、内窓に使用するガラス選びの注意点について解説を進めていきます。 内窓のガラスを選ぶ際には、大きく3つのポイントを押さえておく必要があります。これから、その3つを順番に説明していきます。 まず1つ目ですが、ガラスの断熱性能にはどのような種類があるのかという点です。これを理解するために、ガラスは大きく4つの種類に分けることができます。 1番目に断熱性能が高いのは、Low-Eガラスを使った複層ガラス(ペアガラス)の「遮熱タイプ」です。これは、最も断熱性が高いとされています。次に断熱性能が高いのは、同じくLow-Eガラスを使用した複層ガラスの「断熱タイプ」です。このタイプも高い断熱性能を持っています。その次に位置するのが、「一般複層ガラス」と呼ばれるもので、Low-Eガラスを使用していないタイプです。この一般複層ガラスは、20年ほど前にペアガラスが普及し始めた頃の主流製品でしたが、現在では少し性能が劣るとされています。 最後に、最も断熱性能が低いのが「単板ガラス」です。これは、築25年以上前の建物ではほとんどが採用されていたもので、厚さ5mm程度の1枚のガラスで構成されています。 ガラスを4つの分類に分けてお話ししましたが、その中で鍵となるのが「Low-Eとは何か」という点です。Low-Eとは、ガラス面の断熱性を高めるために非常に薄い金属の塗膜を施したものです。この金属は光を通すほど薄いもので、まるで膜のようなイメージで捉えていただければと思います。 このLow-Eガラスには「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」の2種類があります。この違いは、ペアガラスの外側と内側のどちらのガラスにLow-Eの塗膜が施されているかによります。外側のガラスに塗膜が付いているものを「遮熱タイプ」と呼び、内側のガラスに塗膜が付いているものを「断熱タイプ」と呼びます。メーカーによっては、「遮熱タイプ」をグリーンタイプやブルータイプ、「断熱タイプ」をクリアタイプなどと呼ぶこともありますが、基本的な仕組みは同じです。 では、この塗膜が外側にある場合と内側にある場合で、何が違うのかという点ですが、大きく分けて3つの違いがあります。 最初に、断熱性能についてです。遮熱と断熱の違いですが、断熱性能自体にはそれほど大きな差はありません。わずかに遮熱タイプの方が高い程度です。ただし、性能に違いが出るのは紫外線です。Low-Eガラスは紫外線をカットする性能がありますが、このカット率に違いがあります。遮熱タイプでは紫外線を約80%カットします。一方、断熱タイプは約69%で、10%ほどカット率が下がります。それでも十分なカット率ですが、遮熱タイプの方がやや優れています。 太陽光をどれだけ取り込むか(日射取得率)にも差があります。遮熱タイプでは日射取得率が約39%と低く、太陽光の取り込みを抑える特性があります。一方、断熱タイプでは日射取得率が約58%と高く、太陽の熱をより多く取り込むことができます。これは、冬場に太陽の熱を活用して室内を暖かくする際に有利です。 その他、一般複層ガラス(Low-E塗膜がないタイプ)は紫外線カット率が約40%で、Low-Eガラスに比べてやや劣りますが、日射取得率は約80%と高い特性を持っています。さらに、単板ガラスでは紫外線カット率が約31%、日射取得率は88%にもなります。そのため、南向きの窓に単板ガラスが使われている場合、夏場には9割近い太陽光が室内に入り込み、非常に暑くなります。このような違いが断熱性能に影響を与えます。 ここまで説明すると、「性能が高いガラスを選べば良いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、断熱性能を評価する際には、単純な性能だけでなく、紫外線カット率や日射取得率といった要素を考慮する必要があります。用途や住環境に合わせたガラス選びが、快適な住まいを実現する鍵となります。 ガラスの性能には3つの要素がありますが、すべての要素が高ければ良いというほど単純ではありません。この選択は、窓が取り付けられる部屋の方角によって変わるというのが次の重要なポイントです。 まず、方角は大きく分けて東西南北の4つがあります。それぞれの方角には以下のような特徴があります。 東側は朝日が入り、日本人は朝日を好む傾向があり、積極的に取り込みたい方が多いです。西側は夕方に日差しが入り、真冬にはありがたいですが、夏には強すぎて不快に感じます。南側は1年を通して日差しが多く、冬場は暖かさを得られる反面、夏には非常に暑くなることがあります。北側は日差しが少なく暗くなりがちですが、大きい窓を設置すると断熱性能が低下しやすいです。 これらの特徴を考慮して、方角ごとに適切なガラスを選ぶことが重要です。南側の窓では、冬場には太陽光をたくさん取り込みたい一方で、夏場には日差しを遮りたいので、Low-Eガラスの断熱タイプを選ぶのがいいとされています。断熱タイプは日射取得率が高く、冬場に有利です。しかし、夏場の欠点を補うために、シェードや庇(ひさし)といった日よけを併用するのが基本的な対策となります。 東側・西側・北側の窓では、特に朝日を取り込みたい場合には断熱タイプを選ぶこともありますが、Low-Eガラスの遮熱タイプが適している場合が多いです。遮熱タイプは紫外線や日差しをカットし、断熱性能を確保しやすいからです。ただし、夏の暑さ対策として、東側にもシェードを取り付けるとより効果的です。西側の窓も同様に遮熱タイプが有利です。ただし、冬場に西日を取り込みたい場合には、断熱タイプを選ぶという選択肢もあります。その場合でも、夏の暑さを軽減するためにシェードや葦簀(よしず)を活用する工夫が必要です。北側の窓は日差しが少ないため、基本的には遮熱タイプが選ばれることが多いです。ただし、大きい窓を設置すると性能が落ちやすいため、適切なサイズや設計が求められます。 日本は南北に長く、地域によって気候が異なります。そのため、地域ごとにガラスの選び方を調整する必要があります。例えば、瀬戸内地域のように温暖で日射量が適度な地域では、断熱タイプを中心に選んでも問題ないでしょう。一方で、日本海側のように日射量が少なく寒冷な地域では、断熱タイプと遮熱タイプを適切に組み合わせることが重要です。沖縄や鹿児島のように日射量が多く暖かい地域では、遮熱タイプを選ぶのが有利です。地域だけでなく、周囲の地形や建物の配置、環境によっても選び方が変わるため、画一的な選択ではなく、環境に合わせた調整が必要です。 最後に大切なのは、住む人の暮らし方に合わせてガラスを選ぶことです。例えば、敷地の条件によっては西日を冬に取り込みたいから遮熱タイプでは不利になるケースもあります。その場合、葦簀やシェードを併用するなど、暮らし方でカバーする工夫が必要です。窓やガラスの選び方は一見シンプルに思えますが、実際には細かな条件や環境を考慮した調整が求められます。失敗しないためには、こうしたポイントをしっかり頭に入れて検討することが大切です。 最後に、日射をしっかり取り込むことで1つ覚えておいてほしいのが「目隠し効果」の重要性です。リフォームやリノベーションで古いお家を訪れると、南側に立派な開口部があるのにシングルガラスが使われているケースをよく見ます。縁側がポカポカと暖かそうに見える一方で、部屋の中には障子やカーテンが閉め切られているお家も多いです。南側から9割近くの太陽光が入るにもかかわらず、光を遮るようにしてしまっているのです。 その理由の1つが視線が気になる問題です。特に防犯やプライバシーの観点から、窓を開放的にするのをためらう方が多いのです。そこでお伝えしたいのが、目隠し効果のあるガラスの活用です。ガラスはクリアタイプが主流ですが、視線を遮るタイプのものもあります。片板ガラスは表面がざらざらしており、視線をカットする効果があります。また、フロストタイプという昔のすりガラスのようなデザインや、乳白色ガラス、デザインガラスなどもあります。 このように、断熱性能や方角に合ったガラス選びだけでなく、目隠し効果を意識することで、内窓の効果を最大限に引き出せるのです。ぜひ、この「断熱性能」「方角」「目隠し効果」3つのポイントを頭に入れて、内窓のガラス選びを進めていただければ、満足度の高い住まいづくりができると思います。 -------------------- ホームページはこちらです。 https://www.m-athome.co.jp/ 新しいモデルハウスはこちらです。 https://www.m-athome.co.jp/modelhouse/yasumuro/ 高性能リノベーションはこちらです。 https://www.m-athome.co.jp/lp/renovation/ 高性能規格住宅はこちらです。 https://www.m-athome.co.jp/lp/kikaku/ 見学会を受付中です。 https://www.m-athome.co.jp/eventinfo/tour ルームツアーはこちらです。 https://www.youtube.com/@morishita.athome_room-tour #モリシタアットホーム #内窓 #遮熱 #断熱 #姫路 #工務店 #注文住宅

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