「三夕(さんせき)の歌」とは、「秋の夕暮」という体言(名詞)で締めくくられた特別な三首の和歌のことです。 「新古今和歌集」に登場する、幽玄の世界や仏教的無常観などを表した秀歌となります。 ・寂しさはその色としもなかりけり 槙立つ山の秋の夕暮れ(361・寂蓮法師) ・心なき身にもあはれはしられけり 鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮(362・西行) ・見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ(363・藤原定家)