戦前の日本は、多くの肺結核患者がいました。患者には、空気が良く眺めの良い場所が適しているといわれていました。そのため、風土病で有名な桂田富士郎博士がここの景色を絶賛していました。日本赤十字社が本格的な肺結核の療養所を計画している時、桂田博士はこの糸崎の地が最適であると推薦し、設置に至りました。そして、多くの患者がここで療養して助かり喜ばれました。
そのため、糸崎町の有志が桂田博士の功績を讃え、ここの海岸の地を「桂田濱」と名付け、1934年に記念碑を建てました。しかし、ここに訪れる人もなく、野猪の害を防ぐために垣が設置されて雑草に覆われ、桂田博士の功績が人々の脳裏から消えてしまいつつあります。（2016年1月、市民学芸員活動報告から抜粋）
https://www.city.mihara.hiroshima.jp/uploaded/attachment/30849.pdf