ジャーナリストの伊藤詩織さん(35)が20日、都内の日本外国特派員協会で開く予定だった会見をキャンセルしました。関係者によると、体調不良が原因だといいます。
伊藤さんは2015年4月、元TBSの男性記者から性的暴行被害を受けたとして、警視庁高輪署に被害届を出しました。この一連の出来事を記録したドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」を巡り、自身との会話を無断で映画で使用されたとして、西広陽子弁護士、佃克彦弁護士、角田由紀子弁護士が20日、記者会見し、被害現場とされるホテルの防犯カメラ映像をホテルなどの許諾を得ずに映画で公開し、海外では警視庁の捜査員やタクシー運転手、裁判で代理人弁護士を務めた西広陽子弁護士の音声などが無断で録音、録画され、流されていると指摘しました。
実はこの午前中の会見の後、「Black Box Diaries」の日本版の上映と、伊藤さんの会見が行われる予定だったのですが、上映も伊藤さんの出席も急遽、キャンセルとなったのです。
映像については、伊藤さんは「映像を使うことへの承諾が抜け落ちてしまった方々に、心からお詫びします。今後の海外上映についても、差し替えなどできるだけ対応します」といいますが、捜査員の音声が流れてしまい、その捜査員が特定されることで、地方公務員法(守秘義務)違反に問われる危険があることや、ホテルや弁護士の許諾を得ずに映像を使っていることは、非常に大きな問題があると考えます。