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近代歌人の詠った「花と実」をテーマにした短歌秀作

短歌一期一会 13,466 3 years ago
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今回は近代歌人による「花と実」を詠んだ秀作短歌をお送りします。 ①若山牧水                  うすべにに 葉はいちはやく 萌えいでて 咲かむとすなり 山桜花 『山桜の歌』 ②釈 迢空 「大正十三年 -五十二首- 島山」 葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり 『海やまのあひだ』 ③正岡子規 瓶にさす 藤の花ぶさ みじかければ たたみの上に とどかざりけり 『墨汁一滴』『竹乃里歌」 ④木下利玄(きのしたりげん)                    牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ 『一路』 ⑤前田夕暮 向日葵は 金の油を 身にあびて ゆらりと高し 日のちひささよ 『生くる日に』 ⑥佐佐木信綱 どつちにある、こつちといへば片頬笑み ひらく掌の赤きさくらんぼ 『黎明』 ⑦斎藤茂吉 岡の上 沈黙の われに見よとぞ 百房の 黒き葡萄に 雨ふりそそぐ ⑧山崎方代 一度だけ本当の恋がありまして 南天の実が知っております 『こおろぎ』 ⑨宮柊二 昼間見し 合歓(かうか)のあかき 花のいろを あこがれの如く よる憶ひをり   『群鶏』

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