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学校になじめなかった生徒が自分らしさ取り戻す高校 少人数ゆえのメリットも、新入生わずか“6人”で存続の危機

HBCニュース 北海道放送 4,522 lượt xem 1 year ago
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小中学校での不登校の児童生徒は過去最多となるなか、学校に馴染めなかった子ども達を全国から積極的に受け入れている高校があります。
 学校生活で自分らしさを取り戻す子どもたちがいる一方、高校は閉校のピンチを迎えています。

 全校生徒がわずか29人の全日制高校、苫前商業高校。
 放課後、部活動で友人達と汗を流しているのは、2年生の高橋祐人さん。
 中学まで遠別町で過ごしていましたが…。

高橋祐人さん(16)
「小学4年生から(学校に)行ってなくて。週に1回行って別教室みたいな…。(高校に)入学したてのころは人としゃべるのも嫌で」

 高校入学前の高橋さんは、人前でうまく話せなかったといいます。

鍛冶澤英雄教諭
「入学する前は、間接的なんですよね、すべて。『聞きたいことある?』と聞いても、私に『ある』『ない』も言わないですし、全部スクールカウンセラーを通して話していた。そんな感じの子が人前に出て、今では学校の中心になっている。彼の成長はすごい」

 この秋、高橋さんは 生徒会長に立候補して見事に当選。
 高校生活で大きな成長を感じていました。

高橋祐人さん(16)
「だいぶ人としゃべれるようになって、楽しく学校生活を送れてます。自分自身も成長したなっていうのを感じられました。(先生は)“何かあったのかな?”と思ったら話を聞いてくれるので、すごく良いなって」

 苫前商業高校は、中学校までの学校生活に課題を抱え、環境を変えたいと悩みを持った生徒を積極的に受け入れています。
 3年生の西田さんもその1人です。石狩市の中学から苫前商業高校に進学しました。

西田春菜さん(18)
「(中学時代は)私自身、結構人見知りで、クラスでも友達に話かけられなかったりしてたんですけど、高校生になってから先生とワイワイ話したり、クラスの人ともいっぱい話して授業受けたりすると思ってなくて。ちょっとだけびっくりしますね」

 成長は、先生や家族も感じています。

担任 稲水木教諭
「1年生の時は物静かな子だったんですよね。人前に出るのも苦手な子だったんですけど、(今は)しゃべれるようになったし、自分を表現できるようになったと思います」

西田春菜さん(18)
「いろんなことを話してくれるようになったと(父親が)って言っていて、それを聞いてちょっとうれしいというか…」

 この日、生徒たちはマチの公民館を借りて、通称「苫カフェ」を運営しました。
 商業課で学んだことを実践する企画で、地域の大人との交流も、人間関係を築く力となっています。

訪れた人
「(生徒たちが)あんどん行列をしたり、カレーライス作ったりとか、そういうのやってますよね。なるべくそういうものに参加したいなと」

鍛冶澤英雄教諭
「大人との関わり、町の人の関わりがここ数年すごく強い。先生が楽しくやっているから生徒も楽しくやってて、相談しやすいのかな。入学してから卒業するまでの振り幅は、(高校生として)トップレベルかなというくらい成長すると思います」

 多くの生徒が、大きな成長を感じる苫前商業高校。
 しかし今、存続の危機が訪れています。

 先月、苫前商業高校の佐藤校長は増毛町の中学校を訪れていました。
 生徒に進学先として選んでもらえるよう、校長に高校のPRをするためでした。

苫前商業高校 佐藤恵一校長
「地域連携校に指定されているから、2年連続で(新入生が)一桁になった場合には、数年後には募集停止ということも差し迫っている。今日、ここまでで155校(中学校)回ってきています」

 今年の春、苫前商業高校に入学した1年生はわずか6人。
 来年の新入生も10人未満の場合、近い将来に閉校の可能性もあるという事です。

マチの人
「思いとしては寂しいですね。何とかとは思うんですけど、子どもの数も少ないし」

卒業生
「自分たちのやりたいことをやらせてもらえるいい学校なので残ってほしいと思うし、私も仕事でこっち(苫前町)に戻ってきたいと思っているので」

 地元の人口が減り続ける中での存続は、簡単なことではありません。

苫前商業高校 佐藤恵一校長
「本人の進路実現の手助けをし、最終的に進学した子たちも苫前町に戻ってきて働ける環境を町と協議して整備し、苫前町が栄えるようになれば、自ずと苫前商業高校の今後も見えてくるのかなと強く思っています」

 道立高校では、来月8日に願書の配布が始まります。提出期限は来年1月24日正午まで。
 最後の最後まで、苫前商業高校の募集活動は続きます。

 佐藤校長によると生徒達は、これまでの自分を変えたい、学校生活でこんなことをやりたいという思いを持って苫前商業高校に入学した生徒が多いと話します。
 地方で、生徒数が少ない学校だからこそできる教育ともいえます。
    
 生徒数が少ない学校に行くことを望む生徒や保護者もいる中、生徒数が少なすぎると、高校自体がなくなってしまう可能性もある。
 どうやって学校を維持していくかが難しい課題です。2023年11月22日(水) 19時21分 更新

#北海道 #ニュース #HBC

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