【今回の補足説明】今回は、写真を単体で見たときの捉え方に関する話が中心的となり、写真を編む、つまり群としたときの捉え方についてはそれほど触れることができませんでしたが、基本的には変わりません。
やはり例としては「家族アルバム」が挙げられます。
作者やその家族にとっては面白みの分かるそれも、他人にとってはまるで面白さが分からない。それというのも、家族アルバムそのものが具体的な物語を語り出すのではなく、読み手が誰であるかということや、それを眺めるタイミング次第でその解釈がまるで変わってくる。そういうものだと思うんです。
つまり家族アルバム自体、一見なにか物語を抱えていそうに見えるけど、実はそれって幻想なんじゃないか?ということ。それが、この動画の問題提起です(今回の動画では、そうした例として家族アルバムを挙げるつもりだったのですが、うっかり冒頭で話してしまい、話の筋が伝わらない順序になってしまいました💦)
写真を編むとき、自分なりの物語をどれだけ詰め込んでも鑑賞者にはその大半が伝わらないものです。こうした体験は「写真から撮影者の気持ちは伝わらない」と言われることに近いことかもしれません。
写真の特性は、物語ることではない。
そのことを考え、写真でしかできないことはなにか?
これを考えていきましょう。
近ごろは短い動画配信を心がけているので、ところどころ説明が足りないこともあるかとは思いますが、どうか引き続きお付き合いください。
【参考にしたい一冊】
アレック・ソス(Alec Soth)のインタビューが掲載された雑誌「IMA」Vol.30です。
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このなかでソスは、写真を編むときの秘訣として「connecting dots」という昔ながらの遊びを例に挙げながら説明しています。そのほかにも、写真作家としてのビジョンをあますことなく答えているので、この号は手元に置いておいても損はないはずです。
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◉もくじ
00:00 前置き
00:52 写真は常に意味が変わるもの
02:28 写真で物語は描けません
03:16 そもそも物語とはなにか
03:56 写真でカタルシスは得られない
04:20 ジェフウォールのナラティブな写真
05:23 宗教画はどうか
06:49 写真には始まりも終わりもない
07:50 二次元と三次元の違い
08:40 写真は物語から離れて存在できる
◉トモコスガの『誰も語らない写真表現講座』シリーズ
第1回 写真でしか現せないこと https://youtu.be/8TFWXbMz6C4
第2回 写真を巡る物語性 https://youtu.be/Hbdh9cR9cY0
第3回 潜像残像 https://youtu.be/mSDvfIOM5Q0
第4回 作者の死 https://youtu.be/6Zaw-bj2iq8
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○Twitter
https://twitter.com/tomo_kosuga
○書き下ろし記事『写真作品のステートメントを考える』
https://note.com/tomokosuga/n/n68b8f6a3f000
○深瀬昌久 待望の新刊『サスケ』好評販売中(監修と後書きを担当)
http://www.akaaka.com/publishing/sasuke.html
○著書『MASAHISA FUKASE』
http://www.akaaka.com/publishing/masahisa-fukase.html
○深瀬昌久アーカイブス公式HP
http://masahisafukase.com/
○【後書き寄稿】深瀬昌久『RAVENS』Mack
https://mackbooks.co.uk/products/ravens-br-masahisa-fukase
○【後書き寄稿】深瀬昌久『FAMILY』Mack
https://mackbooks.co.uk/products/family-kazoku-br-masahisa-fukase
○金子隆一さんとのトーク記事『鴉の秘密 アーカイブスの謎』
https://imaonline.jp/articles/interview/20171019ravens_1/
〜最後に〜
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