この時期、寒暖差などで頭痛に悩む方も多いと思いますが、その頭痛で今、注意が必要なのが薬の乱用による「乱用頭痛」です。
頭痛持ちの方が病院に行かずに薬を飲んで痛みをやわらげるケースがありますが、その薬が頭痛の原因になっている可能性もあるんです。
頭痛の患者が多く訪れる「にわファミリークリニック」で頭痛に悩む患者の皆さんに話を聞くと、「気圧の変化とかだとズキズキと響く感じ。コリの時っていうのはギュ―という感じ」「仕事で一番強い頭痛があって、さまざま、いろいろなところが痛くて、ここで来てから先生にいろいろ診てもらって、だんだん今、落ち着いてきている」など、その症状や原因はさまざまでした。
にわファミリークリニック・丹羽潔院長:
こりの頭痛、首こりとか肩こりは大体3000万人ぐらいいます。“緊張型頭痛”といいます。それから“片頭痛”というのは、女性の方にとても多いですが、大体1000万人はいるだろうと。“群発頭痛”という言葉がありましたけど、大体15万人から60万人ぐらいいるだろうと。
“緊張型頭痛”“片頭痛”“群発頭痛”が三大頭痛とされていますが、今、新たな頭痛が急激に増えてきているといいます。
にわファミリークリニック・丹羽潔院長:
本当は飲まなくてもいい時に(薬を)飲んでしまうので、だんだん回数が増えてきて、結局“薬物乱用頭痛”の状態になってきているのが多くなっている。
今、もう1つの問題となっている薬の“乱用頭痛”です。
街で話を聞いてみると、「週に多いときは1日に3~4回飲む。仕事で事務が続いているときは痛い。効く時と効かない時がある」「夫がすごく飲む、鎮痛薬を。夫はほんと毎日のように飲んでて、心配になるぐらい飲んでる。しかも水も使わずに飲んでて心配。ラムネみたいにボリボリかんでる」などと話ました。
クリニックに通い始めて1年、乱用頭痛の診断を受けた女性は、「毎日のように薬を飲むようになってしまい、(薬の)効きが良くなくなって、頭痛が治まらないことが多くなった」と話します。
にわファミリークリニック・丹羽潔院長:
飲む日にちを減らさないと治りません。1日にいっぱい飲むことよりも何日間飲むかの方が大事。
丹羽先生によると、市販の鎮痛薬などを1カ月で10日以上服用してる人は、乱用頭痛の可能性があるということです。
ちなみに、市販の鎮痛薬にも長期の連続した使用は避けるよう注意書きが書かれています。
では、なぜ本来は頭痛に効くはずの薬が頭痛の原因となってしまうのでしょうか。
そのメカニズムは、まず頭痛への不安から予防的に薬を服用し、それによって脳が本来持っている頭痛を抑える機能が低下してしまいます。
その結果、脳が痛みを感じやすくなってしまって、また薬の服用が増えるという悪循環になるんです。
こうした患者に対して「にわファミリークリニック」では、頭痛を防ぐ注射や漢方薬を使って治療をしているということです。
乱用頭痛の目安として、1カ月に10日以上の服用とありましたが、例えば、1日3錠を月に6日間、合計で18錠月に飲んでいるケースと、1日1錠を15日分、合計15錠飲むケースでは、後者の方が乱用頭痛になりやすい、量ではなく「何日間飲むか」が重要となります。
理由としては、薬というのは飲んだあと丸2日間はあけないといけない。薬が体から抜けるのにそのくらいの時間がかかるので、使用を継続することが危険ということでした。
また気をつけたほうがいい危険な兆候としては、痛みがなくても予防で飲んでしまうことや、明け方から起床時に頭痛が多いという方、そして徐々に薬が効かなくなっている方は乱用頭痛の可能性があります。
薬は使用過多であったり、使用上の注意をしっかり読んでから飲んでください。
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