「猿後家」
川上屋という大店の後家さんは顔が猿にそっくりで猿後家とあだ名されている。当人はひどく気にしていて店では「サル」とつく言葉は禁句になっていた。この店に出入りしている太兵衛という男、後家さんに取り入り、べんちゃらを並べて機嫌を取るのが上手いので気に入られている。今日も後家さんの部屋で大津絵の藤娘そっくりだなんて言って後家さんを喜ばせて酒、肴のご馳走を振舞われているが・・・
十代目 柳家 小三治
「まくらの小三治」と呼ばれるほど、まくらに力を入れており小三治のまくらを聴きに寄席に足を運ぶ常連もいたという。中堅どころの名跡であった「柳家小三治」を真打昇進から2021年に没するまで名乗り通した。この間落語協会理事や同協会会長を歴任し重要無形文化財保持者(人間国宝)にも認定され東京落語界の大看板になった。小三治は「名前を大きくした」と言われ四代目桂米丸や五代目三遊亭圓楽に並び本来留め名ではなかった中堅名跡を名乗り通し大看板となった落語家のひとりである
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