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摂食障害と窃盗症③ 4回目の服役時に「刑務所から出さないでください」家族と離れ支援施設で暮らす50代の元女性受刑者

RKB毎日放送NEWS 172 lượt xem 20 hours ago
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体重が増えることへの恐れから、食事の量を極端に制限する「拒食症」や大量の食べ物を詰め込むように食べてしまう過食症などの「摂食障害」。同時に「クレプトマニア=窃盗症」を発症するケースもあります。罪を繰り返す元受刑者の女性は、4度目の服役の際、「刑務所から出さないで」と刑務官に懇願しました。

体型が気になり16歳で「拒食症」、18歳で「過食嘔吐」に

依存症からの回復を支援する施設で暮らす50代の元受刑者の女性。元受刑者の女性(50代)
「また万引きします。家族を苦しめます。これ以上子供とか親を苦しめたくないです。このまま刑務所にいた方が楽なんで、刑務所にいさせて下さいって」4回目の服役中、刑務官に「刑務所にいさせてほしい」と懇願しました。女性は、10代半ばから自分の体型が気になりはじめ、16歳になったころ「拒食症」に。その2年後には、大量の食べ物を詰め込むように食べて吐く、「過食嘔吐」になりました。初めて万引きをしたのは20歳になったころです。

20歳「お金が続かなくなりパンを1個盗った」

元受刑者の女性(50代)
「食べ吐きするのにお金が続かなくなって、ふとしたことでお店でパンを1個お店でとったんですよね。食べ吐きするための道具を手に入れるために窃盗は仕方がないことというふうに考えが変わってましたね。食べ吐きは問題ない。万引きさえしなければ。でも食べ吐きがあるってことは万引きやっちゃうんですよね」

結婚・出産後も「過食嘔吐」と「万引き」

22歳で結婚し、3人の子供も生まれた元受刑者の女性。31歳で離婚した後、「過食嘔吐」と「万引き」はさらにエスカレートしていきました。初めて被告人として法廷に立ったのもこのころです。

執行猶予のついた有罪判決 その帰りに万引きした

元受刑者の女性(50代)
「判決が懲役1年と執行猶予が3年ついたんですよ。もう2度としないでくださいと担当の検事さんからその日言われて、はい分かりましたって帰ったんですよ。その日に万引きしたんですよね。帰りにね。うわべでは『やりません』とか『悪いことしましたごめんなさい』って言っていたんですけど、腹の中では全くやめる気なかった。どうやればうまくいくだろうかって」執行猶予期間中に再び逮捕され、初めて実刑判決を受けた元受刑者の女性。30代から40代にかけて窃盗や常習累犯窃盗の罪で4回実刑判決を受けました。

”通院・入院治療と実刑判決”繰り返す

刑務所を出所した後、精神科の病院に通院、入院して「摂食障害」と「窃盗症」の治療を受けては、再び万引きで実刑判決を受ける。この繰り返しでした。元受刑者の女性(50代)
「4回目の刑務所行った時に『もう刑務所から出さないでください』って面談してお願いしたことがあります。またやります先生って。とにかく病院に入院しなさいと。これを刑務官から言われた。病院にまた入院しました。入院したけど治らないんですよね」

買い物には施設のスタッフが付き添う

元受刑者の女性は、4度目の服役を終えて精神科の病院に7か月入院。その後のおよそ6年は家族と暮らすことなく、依存症からの回復を支援する施設で生活しています。「摂食障害」と「窃盗症」の克服には至っていません。元受刑者の女性(50代)
「レジに並んでいるときに隙を見て、バックに目に付く物をぱっぱって入れちゃって」元受刑者の女性は、去年、再び万引きをしていました。一緒にスーパーに行っていた施設の仲間が万引きに気付いたといいます。元受刑者の女性(50代)
「『万引きした?』って聞かれたんですよ。仲間から。『いやしてないよ』って。『えなんで』って。『してないならバックの中ちょっと見せてもらっていい』って言われたんですよ。『万引きしたよね』『あ、うん。万引きした』。そこで初めて認めましたね。とっさ的に嘘つくし、とっさ的に自分を守ろうとするし、なんか現実逃避じゃないけど、こういうところがいまだに治っていないです」元受刑者の女性が万引きをした商品を返して謝罪をしたため、店側が被害を届け出ることはありませんでした。現在、元受刑者の女性の買い物には、施設のスタッフが同行しています。

「抜け道があったらやるなあ、たぶんやりますね私」

元受刑者の女性(50代)
「誘惑がある。今は誘惑はスタッフさんと一緒だから出てこないです。でもちょっとでも抜け道があったらやるなあ、たぶんやりますね私まだ」記者
「もし今一人でスーパーに行ったら?」元受刑者の女性(50代)
「やると思う。まだ考え方が変わってないです。ばれなきゃいいだろう。このくらい良いだろう。これがまだある」

自助グループに参加し”少しの変化”

自分の体験や悩みを打ち明ける窃盗症の自助グループにも参加している元受刑者の女性。少しずつですが、自分自身の変化を感じています。元受刑者の女性(50代)
「家族を失うのもつらかった。あって当たり前と思っていたのができなくなった。離れていった。でもそうしたのは自分なんですよね。好きでこういうふうになってないです。笑えるようになりたい。今はまだ心から笑えないです。笑えないけどちょっとずつ、喜びも感じられるようになったし、幸せも感じられるようになってきました。今葛藤中です」

専門家「まずは摂食障害の治療を」

克服することが難しい「摂食障害」と「窃盗症」。専門家は、「摂食障害」を治療することが「窃盗症」を治すことにもつながると話します。九州大学病院心療内科 髙倉修医師
「窃盗症は、物をとりたいという症状がわいてきて、その緊張感を味わうような方々で、金銭的な問題とか経済的な問題とかそういったものとはちょっと違う次元で窃盗を行う。ただ、中には摂食障害の中にクレプトマニア(窃盗症)を合併している方もいらっしゃる。窃盗を治そうというアプローチは違うんじゃないか。そういうケースに対しては。摂食障害を治しましょうっていうのが最も大事。それはひいては窃盗を治していくっていうことにつながっていく」

詳細は NEWS DIG でも!↓
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1758835

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