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三之助のとっておきの品川 鉄道模型モデルス イモン

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三之助「今日もご覧いただきましてありがとうございます。噺家の柳屋三之助でございます。今日は、鉄道模型ですよ。こうやって走らせる場所、線路や、こういう景色ひっくるめて“レイアウト”と言うんだそうですけれどもね。このカーブの具合とか、内側に向かってちょっと傾いている感じとか、実際にこの鉄道模型を走らせる楽しさ。これがこう、あちこちに散りばめられている。これが“レイアウト”なんだそうでございますな。
今日私が伺っておりますのは、大井町駅すぐ近くにあります「Models IMON大井店」でございます。鉄道模型、車両もたくさんございますし、工具とか、あらゆるものがこちらへ揃っておりますがね。こちらの社長さんって方が、そのこだわりが半端ないんだそうでね。私そういう人大好きなの。皆さんにもご紹介しましょうね。それでは行ってみましょう、出発進行!」

三之助「はい、お邪魔します。あら、社長室だって聞いてきたんですけどね。すみません、ちょっとごめんなさい。途中で失礼します。社長さんがいるって伺ったんですが、どちらにいらっしゃいますか」
井門「はい、私が社長です」
三之助「あら、これは失礼しました・・・社長さんでいらしましたか。今何をしていたんですか、これ」
井門「模型の写真を撮っていました」
三之助「あら、社長自ら」
井門「こういう撮影ブースをつくりたくなってね、自分でつくっちゃったんです」
三之助「あ、これ社長の道楽なんですね。なんか、不思議なものありますよここに。なんかありますよこれ、見逃しませんよ、こういうの。あら重たい」
井門「これは五稜郭のデゴイチです」
三之助「D51。皆さん知っていますか、これ。デゴイチってね。これ本物ですか」
井門「本物です」
三之助「あらぁ、重たいねこれは。じゃ、ちょっと失礼してね。こういうものがまだいっぱい隠れているんですね。ちょっと見せていただきましょうか」

社長室の壁一面に並んだロッカーの中には、鉄道模型のコレクションが大切に保管されています。

井門「自分でつくった紙の模型もあるんですよ」
三之助「え、ちょっと見せていただけますか」
井門「小田急の最初のロマンスカーなんです」
三之助「これ、社長が手づくりで?」
井門「そうです。椅子は並んでいるし、前はヘッドマークがついています・・・これが、東ドイツの、昭和元年につくられた、最初につくられた機関車です」
三之助「じゃあ100年前の」
井門「そうです。この機関車も今100周年なんですよ」
三之助「これ、社長の自作ですか」
井門「いや、これは買ったものです」
三之助「でも、貴重なもんですねえ」

小学生の時にD51、デゴイチを見たことで、蒸気機関車の魅力にハマったという井門社長。
蒸気機関車の日本での現役運行が終了した1975年以降は、はるばる東ドイツや中国にまで足を伸ばし蒸気機関車の撮影を敢行されています。

三之助「東側って写真撮りづらいとこじゃないですか」
井門「結果的に、5回東ドイツに行ったんですけど。8回捕まっています」
三之助「つか…え?」
井門「お巡りさんに捕まっています」
三之助「捕まっちゃったの?」
井門「連行されるんですよ」
三之助「これね、社長はね、自慢なんだと思うんですけど。あまり世間には自慢にならないっていうかね。
面白いですけど。そんなこともあったんですか」
井門「そうですね」
三之助「よっぽど好きなんですね」

そんな社長の鉄道愛が注入されたIMONの鉄道模型には、鉄道ファンをも うならせるこだわりが随所に施されています。
特別に工房へお邪魔させていただきました。

三之助「よろしいですか、ちょっとお話聞いて。今、コンピューターで設計図を、いろいろ部品ごとにつくっているってことだと思うんですけど。これは何ですか」
社員「これは実物の図面ですね。ここに寸法が描いてあるんですけども、これを基本にして、組み立てやすさとかを考慮しながら描いていくという作業ですね」
三之助「訊いてもいいのかな、何の図面ですか」
社員「C59の戦後型の図面になります」
三之助「蒸気機関車ですよね」
社員「蒸気機関車ですね」
三之助「そんなものがこうやって残っているんですね」
社員「各地に保存されている蒸気機関車もありますので。それを取材しに行って、それっぽく落とし込んでいくという作業です」
三之助「なるほど」

IMONの鉄道模型では、素材にプラスチックではなく、真鍮を使っています。
高価なものではありますがより精密な加工ができるそうです。

三之助「塗らないもの見ると、全部真鍮で、こうやって、全部金属なんだっていうのが、分かりますね」
社員「はい、だからすべて塗装をちゃんと…しっかり回していかないと、ショートしたり、動かなくなったりしちゃう」
三之助「そういうことも…絶縁とかそういうことも」
社員「走ってくれないと、困るんですよね。見た目も素晴らしく、走りも最高でいかないといけない」
三之助「いろいろなところへ、気を配んなきゃいけないですね」

三之助「こちらはまた細かい作業の最中ですが。何をやっているところですか」
社員「機関車の屋根の上に乗っているパンタグラフ」
三之助「電気を集めるとこですね」
社員「そうですね。最後の仕上げになるんですけれども。うちのパンタグラフって形が良いっていうふうに評判をいただいているので。それでやっています」
工房長「パンタグラフひとつとっても、何人かの人が関わって1個のものができあがるっていう形を取っていますね」
三之助「そういうとこは、本当の電車・汽車をつくったりしているのと、似ているところがありますよね。1人じゃつくれないし、皆さんで連携して1輌ずつ仕上げてくっていう。そういうのも、なんかロマンがあるっていうかね。素敵だなって思ったりしますけどね」

三之助「うわあ、ちょっと皆さん聞こえますか、これ。汽笛が鳴った。音出てんですよ。鉄道模型って音まで出んの?すごいすね」
工房長「音が出ない機関車に、追加でもって、デジタル信号でもって動くような装置を機関車に乗せると、加工して。そうすると、このコントローラーで…汽笛を鳴らしたい時には」
三之助「鳴る」
工房長「停まる時は、ちゃんと…ブレーキの音が、ということになりますね」
三之助「なんか、鉄がこすれるみたい音がしたよ。ギリギリギリギリってね。あら、ちょっとこれなんて言っていいかわかんない…ここまで来ているんですか、今」
工房長「そうです」

現在、都内を中心に6つの店舗を構えるモデルス井門は大正11年、1922年に
青物横丁で創業した、井門グループの事業のひとつです。

月賦店「大丸商会」としてスタートした井門グループは、時代のニーズにこたえながら、
幅広い分野でビジネスを展開、1997年に、鉄道模型の分野に進出しました。
以来、歴史ある鉄道模型専門誌の発行や、鉄道模型イベントの運営を受け継ぐなど、鉄道模型が紡ぐ文化の発展にも尽力しています。

三之助「この先、未来のことを考えると…今、社長はどんなことを考えているのですか」
井門「「日本鉄道模型博物館」というものを、立ち上げようというふうに考えています。実は、あまり言ったことがない野望は、国鉄再建だったんですよね」
三之助「大きいね、主語が」
井門「模型の世界で国鉄を再建する。だから、数がとんでもない数で。そんなこんなの時に、これ博物館はやった方がいいな、って自分でも思いまして。どういうふうにやってくかっていうのは非常に難しいところなんですけど、いろいろ教えてくれる人がいっぱい現れると思うので。そういうものを集めて、やっていこうと思っています」
三之助「これをご覧の、模型ファンの方大勢いらっしゃると思うんでね。そういう方にも手伝ってもらいたいですよね」
井門「そうですね。もう、やらなくちゃいけないでしょう」
三之助「いやあ、まちにこういう、ものに夢中な人がいるってすごくうれしいと思います。どうお感じになりましたでしょうか。さて、次回のとっておきの品川、どうぞお楽しみに」

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