#幸徳秋水、#アナキズム、#大逆事件、
栗原康さんの最新作『幸徳秋水伝 無政府主義者宣言』(夜光社)は、近代日本におけるもっとも抑圧的な統治システムである天皇制の是非を鋭く問い直す本です。
24人に死刑判決が下され、わずか6日後に12人に対し刑が執行された大逆事件。その歴史的場面へいたる過程を、幸徳秋水の生い立ちから語り起こし、青年期、ジャーナリスト時代、足尾暴動、コミュニズム/アナキズムとの出会いそして行動へと緻密にたどるこの本を、守中高明さん――『他力の哲学 赦し・ほどこし・往生』(河出書房新社)の著者であり、フランス現代思想研究者にして浄土宗僧侶――がどう読んだかをうかがいました。
戦後の研究では冤罪であり捏造だとされている大逆事件を生んだ統治の暴力は、現代の私たちにとっても決して他人事ではありません。アジア太平洋戦争の敗戦から80年=昭和100年である2025年のいま、非戦論を説き続けた幸徳秋水の思想を知る意義は大きいはずです。
支配と統治のための中心的装置として機能し続けてきた天皇制とはなにか。そして日清戦争・日露戦争・アジア太平洋戦争へと突き進んだ帝国主義的軍国主義とはなんなのか?
起源がない状態を指す「アナーキー」、そして始まりも終わりもない動いてやまぬ生成変化を指す「自然(じねん)」。2019年の初めての対談――栗原康さんの『アナキスト本を読む』(新評論)に収録――から6年ぶりの再会だというお二人の話から、支配なき社会と〈生〉のあり方をみなさんもぜひ考えてみてください。
◆栗原康さん著『幸徳秋水伝: 無政府主義者宣言』(夜光社)
https://amzn.asia/d/3JV6pq3
◆守中高明さん著『他力の哲学: 赦し・ほどこし・往生』(河出書房新社)
https://amzn.asia/d/7ZUVyKv