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男声合唱とピアノのための「炎える母」(荻久保和明先生委嘱再演)

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早稲田大学グリークラブ 第66回定期演奏会 4th Stage 男声合唱とピアノのための『炎える母』 2018年12月28日㈮ すみだトリフォニーホール 大ホール 作詩:宗 左近 作曲・指揮:荻久保 和明 ピアノ:中島 剛 演奏:早稲田大学グリークラブ 00:12 Ⅰ 04:18 Ⅱ 11:22 Ⅲ 13:28 Ⅳ 23:56 Ⅴ 墓(終詞) 録音・撮影・編集:株式会社サウンドスタジオOKA  『これはすごい詩だ。読みながら背中がゾクゾクした。読むというよりも読み飛ばすという感じがぴったりのそのスピード感の中に、僕は沈んだ。「駈け足」・「あえいでいた」・「走った」・「走っている」などという言葉の持つ切迫感が、抜群のタイミングで配されている。それは、実にすばらしい音楽的な勘によってなされているように、僕には思えた。  ただ詩の中に内在するスピード感を捕捉すること。それは、音楽が詩に追随するのではなくて、もともと音楽的なものを音楽として具現したに過ぎない。すなわち、この詩の中には言葉を味わう感動だけではなく、それを読む、純粋に「読む」という行為の中にもある、切実な感動がある。もちろん、それは定型詩の時のようなものではなくて、もっと内的な感覚なのだが。その感覚の緩から急へのベクトルとしての在り方には、作者の巧みな配慮がなされていて僕を驚かす。しかも、そこには純粋のリアリズムの美というものがあるような気がする。だが美といっては語弊があって、作者のマゾヒスティックとも思える贖罪意識や、露悪的にも見える自己卑下は、もっと一種異様なものである。  曲はⅠとⅡ、ⅢとⅣが組になっているが、内容的にも、音楽的にも、ⅠからⅣまでを一つの緊張の持続として捉えていただければ幸いである。Ⅴは宗左近氏流に言えば「ないなぐさめ」のレクイエムだろうか。』  20代後半に作曲し、ワセグリの手で奇跡的な初演が成された後、この曲は二度と歌われることもなく40年近く経ってしまった。今、65歳となりカワイ出版より譜面が出され、ワセグリの手で再演が決まった。こんなに嬉しいことはない。  考えてみれば当時歌った面々は60歳になろうとしているはずで、そのメンバーに会うと何か不思議な感覚におそわれる。  序(Ⅰ)→ Allegro(Ⅱ)、序(Ⅲ)→ Allegro(Ⅳ)という二つのアレグロの持続がこの曲の中心であるが、特にⅣ曲目のアレグロにおいて、長年部室の奥に封印されていた、大量のカスタネットの秘密が解き明かされるであろう。  この曲を、今の部員の手で、もう一度世に問いたいと心から願う。  2018年 深まる秋に  荻久保 和明 第66回定期演奏会パンフレットより引用(一部省略箇所あり) 各種リンク一覧 ・公式サイト:https://wasedaglee.com ・公式X(Twitter):https://x.com/waseda_glee ・記録物(CD・DVD・Blu-ray Disc)注文フォーム:https://bit.ly/waseglee-kirokubutsuform

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