前爪のあるアイゼン(12本とか10本爪)は森林限界より上の強風地帯で使う用具です。その森林限界より上の所は雪が風で飛ばされるので、固い雪面と露出岩場が交互に現れるような状態になっていることが多いです。なので、前爪のあるアイゼンは固い雪の上だけでなく、岩場を歩く道具でもなければならないのです。アイゼントレが岩場や沢で行われるのは、そこに1つの理由があるのです(他にドライツーリングや冬季登攀を目指すトレ)。
12月に富士山五合目に行っても雪がありません。谷川の天神平なら雪がありますが、雪がフカフカすぎてアイゼンを効かせて歩く状態を再現しにくいです。それに、天神平は吹雪の日が多い(天気が良いことが少ない)ので、アイゼントレでなくて、ラッセルトレと耐寒耐吹雪訓練になってしまいます。
縦走用のアイゼントレーニングは河原に降りて行うのが良いです。濡れないで登れるので丹沢の水無川本谷下部がよく使われています。西丹沢の寺の沢右俣下部(寺の沢橋から右俣大滝手前まで)も南面で暖かくて良いと思います。
登攀用のアイゼントレーニングとしては丹沢の広沢寺の岩場、奥武蔵の日和田山の岩場。湯河原幕岩の悟空スラブなどがあげられます。日和田山の岩場は、現在、岩登り禁止の立て札が増設されてますので、遠慮した方が良いと考えます。