旧日本海軍が開発した人間魚雷「回天」。その悲劇を後世に伝えようと、山口県周南市の回天記念館が記念誌「回天記念館と人間魚雷『回天』」を発刊した。2018年に開館50周年を迎えたのを機に、悲惨な特攻兵器が誕生した経緯や記念館の歩みをまとめた。
回天は、太平洋戦争末期に旧海軍が極秘に開発した1人乗りの特攻兵器。全長15メートル前後、直径1メートルほどで、潜水艦に搭載されて出撃し、大量の爆薬を積んで敵艦に体当たりした。その訓練基地があった大津島に記念館が開館したのは1968年11月。遺品や資料の展示に加え、歴史や時代背景、当時の生活などをパネルで紹介し、これまでに65万人が訪れた。