#佐伯啓思、#西田幾多郎、#哲学
ドイツでシュペングラーが『西洋の没落』を刊行した20世紀初頭(第一巻刊行は1918年、第二巻は1922年刊行)は、第一次世界大戦を経験したヨーロッパは自信を失っていたという。
「神なき世界でも、人間の理性によって価値をつくれるのではないか?」「文化に代わり、文明こそが世界を変えていく」と期待したヨーロッパ諸国が直面した悲惨な大戦。
その時代に生き、「無の思想」を唱えたのが日本を代表する思想家・哲学者である西田幾多郎です。戦後は「第二次世界大戦への参戦を招くきっかけをつくった」と批判されることも多い西田や京都学派ですが、彼が行き着いた「無の思想」は今なお学ぶべきところが多い思想のように思います。
西洋的な思想を学んだ後に、日本的なものを生みだそうと模索した西田の思想の背景にあったのは、「没落」せざるを得なかった西洋の思想に対抗し得る思想を、西洋思想の限界を突破するにはどうしたらいいか、という危機を目の前にして生じた熟慮だったといいます。
主体と客体を分けて考える近代西洋思想に代えて、「わたし」という抽象的なものは存在しない、と考えた西田。彼が提唱した「純粋経験」や「行為的直観」「無の思想」とはどのようなものなのか。当時の時代背景も交えて、佐伯啓思さんにお話していただきました。
※講義の途中から動画が音声に変わります。後半は音声にてお楽しみください。
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◆佐伯啓思さんによる講義「近現代を問い直す」
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