「ひとり狼」が公開された翌年、1969年、市川雷蔵は直腸がんにより37歳で他界。
「ひとり狼」は、1968年4月20日に大映が配給した、池広一夫監督による股旅時代劇映画である。監督を務めた池広一夫は、この作品を「おんな極悪帖」と並ぶ自身の最高傑作であるとしている。
「任侠大百科」(仁侠研究会 1986)によれば
食事のもてなしにあずかる時には、厳格な作法があった。まず、ご飯は絶対に二盛以上は食うことができなかったし、一杯飯も縁起がわるいとされて禁物だった。しかし満腹時とか体の具合によって二杯飯を食えぬ時には、最初の一杯にちょっと口をつけ、その上に二杯目を盛ってもらった。膳部についている物は食べ残してはならない決まりだった。
たいていは魚一切、お椀一杯、香の物二切と相場が決まっていた。魚類は時に小魚などを一尾つけるが、この場合も骨などを残した時は内懐から左手で用意の白紙を出し、それに包んで懐中に入れておき、後で表へ出た時そっと目立たぬ所へ捨てるのである。
もっとも骨の出るような魚などはつとめて出さなかった。とにかく膳の上にある物は、煮物、菜類の一汁、漬物の醬油一滴といえども残すことのないのが作法である。