町田に根ざしておよそ80年。地元の本屋といえば、久美堂です。市内と県外に計6店舗を展開し、人々に本を提供し続けてきました。どこにでもある本屋ではなく「町田の久美堂」にしたい、と語る社長の井之上さん。地元中学校や図書館との新たな取り組みも行っています。
久美堂の創業は1945年、現社長の井之上健浩さんの祖母・久子さんが始めました。最初はおよそ2坪の貸本屋でした。屋号の久美堂は、「人はいく久しく美しくあれ」との意味が込められています。小さな店から始めましたが、初代社長・井之上哲夫、二代目社長井之上賢一をはじめ家族や授業員みんなの頑張りと、出版業界拡大の趨勢とともに、久美堂も町田の地で確固たる地位を確立していきました。
久美堂の顔とも言える本店は、小田急線町田駅南口より徒歩 1 分の場所に計4フロアで展開しています。新刊の書籍・雑誌から専門書などを揃え、学業や業務で必要な様々な文房具もセレクトします。また、3階にある教科書・学習参考書のフロアは、他にはあまりない充実の品揃えで、多くの学生さんたちが利用しています。
本店の特徴的な棚として「町田のゆかりの作家さんのコーナー」があります。町田出身の作家の本を置くことはもちろんのこと、町田のことを知ることができる本も揃えます。ビッグターミナルの町田駅周辺に、新たに住み始めた人たちが、この街のことをわかってもらえるようなコーナーを、との本屋の思いです。
本屋と地域を繋ぐユニークな取り組みの一つに「魂のPOP」コーナーがあります。地元の中学生が学習の一環として作った本のPOPを、久美堂本店で本とともに陳列する企画。「たまたま私の高校時代の同級生が地元の桜美林中学校に先生として赴任されて。春休みの宿題で生徒さんに『本を1冊読んで、それをPOPにして書くこと』を出したところ、友人であるその先生からせっかくだから本屋でPOPを飾ってくれないか、という話があったんです」(健浩さん)。ただ飾るだけではなく、それを見て本を読みたくなった人が実際に買える方がいい。そのアイデアで、 10 年ほど前から生徒さんのPOPの本を久美堂が仕入れて販売しています。
クリスマスには、健浩さん自らがサンタクロースに扮して子どもたちに本を届ける「久美堂のサンタ便」も。これらサービスには「地域のお客様にいかに喜んでもらえるか」の想いが根底にあります。「地域で根ざして商売をやっていく以上、お客様にいかに喜んでもらえ次に繋げるかということを、考えながら仕事をしなければと思っています」と健浩さんは語ります。
2022年4月からは、図書館運営事業を行う株式会社ヴィアックスと久美堂が共同で、町田市立鶴川駅前図書館の運営を担うことになりました。図書館事業を地元の書店が担うことは、全国的にもたいへん珍しいこと。これまで長年培ってきた街の本屋としての久美堂の信頼が、住民のみんなから認められた結果なのでしょう。
健浩さんは、「これまでも、そしてこれからも私は町田にずっと住み続けます。そして私の息子も含めて、この地のすべて子どもたちが『町田に生まれてきてよかった』と思ってもらえるような街にしたい」と話します。久美堂と町田の人たちの繋がりが、さらなる街の発展へと繋がることでしょう。
原案・石橋毅史
制作・J:COM
統括・東京都書店商業組合
ふらっと気軽に行ける本屋さん、たまには寄ってみませんか?
久美堂のホームページ→https://www.hisamido.co.jp/
久美堂本店の公式ツイッター→https://twitter.com/hisamido_honten
東京都書店商業組合青年部の久美堂本店紹介ページ→http://www.tokyo-shoten.or.jp/seinenbu/shop/tokyo/5384
このチャンネルを運営する東京都書店商業組合の公式サイト→http://tokyo-shoten.or.jp/
この動画は、中小企業新戦略支援事業(団体向け)に係る特別支援「新しい日常対応型業界活性化プロジェクト」を活用して、東京都書店商業組合が制作したものです。
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