京阪電車の寝屋川車庫で働く構内入換車。実は、足回りは明治43年製の1型電車のもの。車体は昭和23年に新造された(それでも)木製で、ニスの塗り返しが各部に見られる。70形となったこの電車、翌年には留置していた四宮車庫(京都市山科区)が火災に見舞われ72号車を除くすべてが消失した。72号車は、トラブルで生まれ故郷の製造メーカー(東レ)で調整中だったため難を逃れたのだ。大津線で活躍後、昭和42年に引退。廃車扱いになるが、両運転台が幸いして構内入換車両として余生を過ごすことになった。100歳超えの「機械」扱いのこの電車、マニアの間では「72」と呼ばれている。形式は存在しないけど、確かに存在するこの電車。頑張ってほしい!