今年ももちもち食感がたまらない新子の季節がやってきました。多くの人に楽しんでもらおうと中土佐町で始まった”メジカ革命”とは?
中土佐町にある久礼大正町市場。
川辺世里奈アナウンサー:
「午前中からこちらの店も奥の店も列ができています」
お目当ては今が旬のメジカの新子です。
幸進丸・又川二三江さん:
「きのうまでこれ(小さいメジカ)ばっかり取れてました。きょうはこれ(小さいメジカ)もあるけど、これくらいの(大きいメジカだと)料理しやすいし、もっちりしておいしい。これくらいがベストかな」
メジカの新子とはマルソウダガツオの幼魚のことで、取れるのは8月から10月の3ヶ月のみ。鮮度が落ちやすく、地元でしか食べられない”幻の魚”です。
川辺アナウンサー:
「いただきます。弾力がすごいです。かんだら身が押し返してきます。ブシュカンの香りが鼻からふわっと抜けてさっぱり、いくらでも食べられそうです」
今年の水揚げ量は去年のおよそ1.5倍。高知県の内外からお客さんが訪れるため、昼前に売り切れることもあります。
兵庫から家族:
父・母「(列の)一番で、朝一、4時台に出てきた」
姉「めちゃくちゃぷにぷにしてて、ちょっとだけ酸っぱくておいしかった。妹めちゃくちゃいっぱい食べてた」
妹「おいしかった」
新子をより楽しんでもらおうと、市場で始まったのがー
大正町市場協同組合・田中隆博代表理事:
「”メジカ革命”です。漁師町でデジタル化が進まないので、じゃあ一発、久礼から
始めてみようかと。(お客さんが新子を食べに)とりあえず来たら、きょうは(船が)出てなかったとかっていう”ハズレな日”も多かったので、デジタルで解消しようかと」
川辺アナウンサー:
「アーケード内に新しく設置されたモニター。メジカの入荷状況が一目で分かります」
「なかとさ観光協会」は市場や道の駅など新子を提供する9カ所にタブレット端末を配布し、入荷状況を入力してもらうことに。情報は観光協会のホームページやアーケードなど2か所にあるモニターで確認できます。
観光拠点施設「ぜよぴあ」に兵庫から男性:
「売り切れていたら別の店行って、まだあるんだったら食べられないで帰ることがなくなるのでいいと思いますね」
久礼大正町市場事務局・久竹庸代さん:
「(メジカは)その日にならないと入荷状況とかが分からないのですが、電話の問い合わせがとても多くて、事務局の方で担当してたんですけど、その手間がなくなってありがたいです」
さらにお客さんの混雑を避けるためメジカの販売場所を分散させています。
坂本隆之記者:
「道の駅なかとさのすぐ脇、こちらでもいきのいいメジカを手に入れることができます」
久礼新港に停泊する漁船・皐丸ではいけすで泳ぐメジカを販売しています。
デジタル化の効果は?
皐丸・池田学さん:
「あると思います。やたら客来だしたなと思ったら、みんな売り切れなっちょったりして向こう(市場)はね」
足がはやいメジカですが、いけすで泳いでいるメジカを新鮮な状態で居酒屋に提供でき、”夜メジカ”が楽しめる店もあるそうです。
大正町市場協同組合・田中隆博代表理事:
「(お客さんの)世代も地域ももっと広がって、認知されるというのが僕らの夢なので、デジタルの情報発信は本当に大事になってくる。漁師町のデジタル革命、メジカ革命やるぞ~!」
メジカの新子の旬は10月中ごろまで続きます。