交響詩 天地創造 阿部勇一作曲
◆電子音源
◆2023年川越奏和奏友会吹奏楽団第45回定期演奏会記念委嘱作品
◆吹奏楽大編成
◆楽譜についてのお問い合わせ→ 阿部勇一公式HP https://yuichi-abe.com/mail/index.html
◆曲解説
タイトルの「天地創造」は、旧約聖書『創世記』における世界創造の物語を指します。神がこ
の世界を6日間で創り、7日目に休息したという内容で、聖書において最も重要とされている一
節です。
「はじめに神は天地を創造された。」という書き出しで始まり、光、空、大地、植物、太陽、
星、魚、鳥、獣、家畜、そして最後に人を創ったとされています。
この「天地創造」をテーマに、闇で覆われていた世界に突如突き刺すような光が生まれ、やが
て人間が生まれるまでの壮大なドラマを描きました。
曲は創造前の混沌とした静寂の世界から始まります。6日間という短さを象徴するスピード感
、宇宙規模のエネルギー、誕生の慶びと苦悩など、感じるままに織り込んでいきました。強奏
の部分は、ホールいっぱいに音が充満し、鳴り響く楽器そのものの力に圧倒されるようなイメ
ージでオーケストレーションしています。特に金管楽器については、歌劇を思わせるような堂
々たる雰囲気に仕上げました。少年時代に好んで聴いていたワーグナーの歌劇の世界観に影響
されているのかもしれません。
フィナーレは再び疾走感溢れるハイテンションな曲調となり、改めて創世記の始まりの一節(
はじめに神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を
動いていた。神は言われた。『光あれ』)を高らかに叫ぶようにして曲は閉めくくられます。