10日朝の石破首相。
参議院の予算委員会室に入ってくるなり、何度も丁寧なお辞儀。
そして、答弁では…。
石破首相:
これはもう私の責任でございますが、丁寧さが十分ではなかったという反省を持っているところでございます。
丁寧さが足りなかったと釈明したのは、高額療養費制度の負担上限額引き上げを巡るこれまでの政府の姿勢について。
2025年8月に負担上限額の引き上げを行う方針を示し、衆議院で予算案も通過させたものの、がんや難病患者らの切実な訴えに方針をひるがえす形で、7日に引き上げ見送りを表明しました。
しかしその一方、8日、党の青年局や女性局の会合で、石破首相はこんな揺れる思いをのぞかせました。
石破首相:
受けることばっかりやっていると国は滅びます。私たちはつらいことであっても苦しいことであっても、いかにそれが必要なのかを国民の皆さまに誠心誠意お願いしていく。そして「あいつの言うことなら、あの人の言うことなら聞いてみよう」、そういう思いを持っていただけるように。
こうした総理の言動に対し、野党は…。
立憲民主党・野田代表 :
間違いなく私は、石破首相の優柔不断のなせる業だと思います。
国民民主党・榛葉幹事長:
自民党はこれをやると言って (予算案を)衆議院通したんだよ。政策の中身の賛否ではなくて、こんなやり方めちゃくちゃだね。
批判は自民党の中からも。
自民党・小林元経済安保相 :
この(高額療養費)制度を含めて、政策の意思決定が二転三転しているように私自身は感じている。
政府・与党の方針が揺れ動く政策は他にも。
それは当初、今の国会に提出予定とされていた年金制度改革法案の扱いです。
将来の年金給付の拡充が図られる一方、一部の現役世代や企業には負担増が見込まれる、この法案。
自民党内からは、参院選後に提出すべきとの声も出ています。
石破首相:
この社会保障政策というものを、“選挙の具”とか党利党略とか、そのような事に用いると国民全体が不幸になるので、そういうことのないように。
先週末に石破首相が表明した、高額療養費制度の負担上限額引き上げ見送り。
これは、2025年夏の参院選を見据えた動きなのでしょうか。
石破首相:
見直し全体については実施を見合わせると。本年の秋までに改めて方針を検討して決定することといたしたい。
総理は10日の国会で、高額療養費制度について、当初の方針だった2025年8月の負担額引き上げは見送り、2025年の秋までに新たな方針を決定すると説明しました。
引き上げの判断を、参院選が終わった後に行う可能性を示唆したということでしょうか。
野党からは…。
立憲民主党・徳永エリ議員:
今回の(引き上げ)見送りは、与党の党利党略なのではないかと。参院選が終わったら、今回と同じような引き上げ案が出てくるんじゃないか。そして今度は(採決)強行されて決まってしまうんじゃないかと。
この追及を厳しい表情で聞いていた石破首相は「そのようなことはいたしません。私どもは選挙目当てでこのようなことをやっているのではございません。強行することもいたしません。以上、明言しておきます」と述べました。
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