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雨上がりの朝、若草山にて、音楽:真砂秀朗

koichi hozan 5,144 8 months ago
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雨上がりの朝。 午前4時から朝焼けが始まる。 雨上がり、夜は肌寒く、風速1m この条件で撮影に出なければ、カメラを持つ資格などない。 そんな朝だった。 これまでに何度も何度も上った若草山。 カバンに下着を3枚とトイレットペーパー1ロールを入れて、覚悟して上った。歩き慣れた道なのに遠く感じた。 撮影ポイントに着いたのは4時30分。 朝焼けの一番鮮やかな瞬間には間に合わなかった。 ポンコツのこの体がただただ情けない。 心底情けない。 これからも少しずつ衰えていくこの体で撮影が出来るのだろうか。 何か目標がなければ、心も体も折れてしまう。 撮影を終えて最初に撮ったカットを再生してみると、息切れして苦しそうな呼吸が録音されていた。 このカットを撮りながら死ねたならどれだけ楽だったか。 でも、撮影を続けながら若草山を下山する。 誰もいない、鹿と私だけ。御蓋山の麓で奈良の朝を迎える。 奈良の朝は素晴らしい。 ここでの鹿は、奈良公園で鹿せんべい欲しさに人間と交わる鹿ではなく、野生の神鹿。その仕草は見ていて飽きない。 祈りの空間であるこの場所が本来の姿を見せるのは朝と夜だけ。 せめてそれだけは奪わないで欲しい。

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