パスポートのいらない「シリベシ留学」学生が北海道ニセコエリアで1か月働いてみたら…英語も上達「すごい自信がつきました」北海道倶知安町
海外に行くだけが「留学」ではありません。
参加者
「ミッドタウンで働いていて」
「パークハイアットニセコ花園で働いてます。寮のカナダ人がごはんを作ってくれて」
先月、北海道後志地方の倶知安町に集まった大学生たち。
彼らが参加した目的は、「ShiriBeshi(シリベシ)留学」です。
後志総合振興局 菊池博幸課長
「国際的な人材を育てるという意味の部分と、地域との関係人口を増加させようと」
外国人でにぎわうニセコエリアで1か月働きながら、この地域に住むさまざまな国の人たちとも交流し、“多様性”を学ぶ「シリベシ留学」。
後志総合振興局が主催し、今回、過去2番目に多い31人の学生が参加しました。
参加者
「実感としてはオーストラリアにいたときよりも、英語を話せてるっていう感じがして」
MIRU NISEKOマネージャー 西雄志さん
「インバウンド客が多くいらっしゃる時期に、こういう形で参画していただくのは、われわれにとってもすごく助かる点はあります」
今や、外国人観光客だけではなく、学生や地元の企業も注目する「シリベシ留学」を、もうひとホリします。
去年の夏、北海道倶知安町に泊まった外国人の数は、コロナ禍前の2019年の2倍となる、のべおよそ8万人に上ります。
この冬も大勢の外国人観光客が訪れているニセコエリアで開催された「シリベシ留学」。
就職を控えた学生たちに、参加した理由を聞いてみると…。
法政大学3年生 畠山星奈さん
「私自身あんまり英語が得意ではないので、そのまま海外に行っても、たぶん怖いというか、まだ恐怖というのがあったので」
京都外国語大学2年 田中萌々花さん
「日本の魅力を伝えることに興味があるので、日本で海外のことに関わりたいと思いました」
武蔵女子短期大学1年 川見明莉さん
「一応、英文学科なんですけど、留学したことがなくて。今回、そういうのも魅力で来ました。(緊張しますか?)めちゃくちゃ緊張します」
物価の上昇や円安が続き、海外留学のハードルが高くなるなか、パスポートの要らない「留学先」として注目を集めているのが、この「シリベシ留学」なんです。
実際に、どれだけ英語を使っているのか、事前研修からおよそ2週間後、現場で働く参加者のもとを訪れてみると…。
「HELLO!WELCOME TO MIRU NISEKO!」(こんにちは!ミル ニセコホテルへようこそ!)
(英語でやりとり)
「レストランはディナーだけ?」
「そうです」
「今決めないといけないですか?」
「お肉は決めてください」
「明日のウェイトリストはある?」
「明日は満員です」
外国人客(日本語訳)
「質問に全部答えてくれた。ここに来るまで何も準備していなかったから全部分かってよかったよ」
国際教養大学3年 渡辺海音さん
「こっちだとお客さまに分かるように説明しないといけないし、スタッフ間のやりとりでも意思疎通ができる英語を話さないといけないので、ちゃんとした場面での英語もちょっとずつ学べてるかと思います」
さらに、「留学経験がなく、緊張している…」と話していた川見さんは、スキー客でにぎわうカフェで奮闘中!
(英語でやりとり)
「こんにちは」
「冷たい水を2本下さい。SUICA使えますか?」
「ごめんなさい、SUICAは使えないんです。現金かクレジットカードはお持ちですか?」
「じゃあ、現金で」
「サンドイッチ1つ」
「ジンジャーエール、クッキー、スポンジケーキ、サンドイッチが2つですね?」
「はい」
「ありがとうございます」
武蔵女子短期大学1年生 川見明莉さん
「ここに来て、留学経験とかもなかったので自分の英語がどこまで通じるか心配だったんですけど、片付けに行ったときとか(客から)英語すごい上手だねとか言ってもらえて、すごい自信がつきました」
学生たちが、英語を必要とする環境で働き、スキルアップにつなげている一方で、受け入れる側の企業も、学生たちの働きに大きな期待を寄せていました。
ニセコ風土 高井裕子さん
「最初お客様と接するのに結構緊張していたが、最近は自分から一生懸命対応するようになっていて、大変助かっている。ここはスキー場なので、オープンしている期間が冬期間と決まっているのでその期間にどうしても人手が必要になる。インターンシップ生がいることで店を回せることもできます」
大勢の外国人が訪れるニセコエリアで、いま深刻となっているのが「人手不足」。
特に、繁忙期と閑散期の観光客数に大きな差があるニセコでは、こうした学生たちが「大きな戦力」になっていると言います。
MIRU NISEKOマネージャー 西雄志さん
「どうしても夏と冬の繁閑差が大きくて通年雇用が非常に難しくて、インバウンドのお客さんが多くいらっしゃる時期にこういう形で参画していただくのは我々にとってもすごく助かる点はあります」
▽後志地方訪日外国人宿泊客(2019年度)
●上期(4~9月) 30万2047人
●下期(10~3月) 70万3802人 ※冬は2倍超
▽1月の有効求人倍率(ハローワーク岩内)
●サービス業
給仕・接客 3.82倍
調理人・調理見習 1.90倍
▽平均時給(求人ボックス給料ナビ・先月)
●北海道倶知安町 1199円
●北海道ニセコ町 1197円
2024年03月07日(木) 19時41分 更新
#北海道 #ニュース #HBC
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