太平洋戦争の終結から80年となる2025年、栃木県出身の兵士などが激戦を繰り広げたパラオの離島・アンガウル島では現在、遺骨の収集事業が行われています。
日本から南に約3,300キロ、サンゴ礁に囲まれたパラオの離島アンガウル島です。
この島では太平洋戦争末期の1944年の9月から10月にかけて、旧日本軍とアメリカ軍が激しい戦闘を繰り広げました。
戦いには、主に栃木県出身者で組織された「旧陸軍第14師団」の「歩兵第59連隊」が参加し、1,200人余りいた兵士のほとんどが命を落としています。
島の中には、アメリカ兵が旧日本兵の遺体を埋めたとされる墓地が確認されていて、2018年から年に数回、厚生労働省の委託を受けた「日本戦没者遺骨収集推進協会」による遺骨の収集が行われています。
15回目となった2月10日からの派遣には、厚生労働省や推進協会のほか考古学や遺骨鑑定の専門家などを含む11人が参加しました。
15日は、新たに遺骨が見つかり周りの土をハケで払うなどして、丁寧に掘り起こしました。
遺骨の収集では発見された遺骨の一部を検体としてDNA鑑定を行い、日本人と判定された場合には、日本に送ることになっています。
墓地からは前回の派遣までに、160柱の遺骨が見つかっています。
このうち最初に見つかった5柱が日本人だと明らかになったことから、今回の派遣でアンガウル島から初めて遺骨が日本に送られ、埋葬される予定です。