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映画「夜叉」は昭和60年に公開された高倉健主演、降籏康男監督による作品です。
背中一面に彫られた刺青から「人斬り夜叉」と呼ばれたミナミの伝説の男、高倉健演じる修治。修治はシャブによるシノギに嫌気が差してヤクザから足を洗い、若狭湾に面した小さな港町で漁師となり、妻子と平穏な生活を続けて15年の歳月が過ぎていました。
ある冬のこと、ミナミから田中裕子演じる螢子が流れ着き、小料理屋「螢」を開きます。しばらくして、螢子のヒモでシャブ中のヤクザ、ビートたけし演じる矢島が螢子を追って街に現れます。矢島は漁師たちを相手にシャブを売り捌いていましたが、修治は螢子に矢島の薬物を処分するよう助言します。さもなければ、警察に伝えるというのです。
矢島の所持していた薬物を勝手に処分した蛍子。やがて、そのことに気が付いた矢島は狂ったように包丁を振り回し、蛍子に切りかかり、村中の隅々まで追いかけ回します。その緊急事態に止めに入ろうとした修治。矢島に背中を切り裂かれ、15年のあいだ隠し通してきた、背中の夜叉の彫り物が顔を覗かせてしまいました。
矢島の乱暴を収めた修治でしたが、このことを境に漁師たちやその妻たちは修治やその家族たちを白い眼で見るようになってしまうのです。
シャブ中のビートたけしが包丁を持って高倉健や田中裕子を追い回すシーンは迫真の演技による狂気を表現しており、観るものをうならせます。高倉健とビートたけしが対峙した貴重な作品「夜叉」は大人のハードボイルドロマンとして現代に語り継がれています。