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パワハラで仕事に行けない。休職する前に知っておくべきこと【精神科医・益田裕介/早稲田メンタルクリニック】

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【はじめに】  パワハラ上司や部下と言われるような、普通なら考えられない、非常識な行動をとる人たちが社会には存在します。SNSでは誹謗中傷を好んでする人が全体の1~2%いると言われていますが、会社や組織の中にもそのような人がいます。  長く組織で働いていると、人生のうちに一度はそういう人たちと一緒に仕事をすることがあります。そして、彼らのターゲットにされ、心を痛めてしまう人たちがいます。  今回は、そのような心を痛めてしまった人たちに対し、どのように対処すべきか、解説しようと思います。 【正しい行動、正しい理解、それでもダメなら薬も検討】  ストレスが原因で抑うつ状態(落ち込んでいること)になることを適応障害と呼びます。この障害で最も適切な治療は、休養及び環境調整です。それでもうまくいかない時、薬で補助してあげるイメージです。 ○正しい行動  まずは休める体制をつくってください。いきなり休職をしなくても、時間を短くしたり、残業を控えたり、業務を減らしてもらうなどの工夫をしてください。  ストレスの原因が特定の人物である場合、周囲の人に相談し、物理的に距離を取る方法を考えてください。  部署を変える以外にも、席の移動や廊下ですれ違うタイミングを減らす、などそのような小さなことでも違います。 ○正しい理解  上司および同僚に相談してみてください。  他の人もあなたと同じように悩んでいるかもしれません。  上司同僚らの心理状況、立場を想像したり、理解することも有効です。  理解するためには、実際にシュミレーションしてみたり、精神医学・心理学的な知識や、人間が持つ動物的な錯覚(認知バイアス)などを知ることが重要です。  自分自身の心理状況を客観的に評価することも大事です。  もちろん、原因人物がどのようなものなのか、理解し、評価することも重要です。  正しく理解するための道具や知識は無数にあります。  どれが正しいというわけではなく、自分にあった理論体系をもちいて、心を理解することが良いと思います。  頭で状況を理解をしても、感情がついてこない場合があります。むしろ、そのような場合の方が多いでしょう。  それでも考えて、言語化し、整理をすることは心の安定にとても役立ちます。  正しく理解することこそ、僕らが不安に勝つ、唯一の方法です。  精神科医やカウンセラーの役割は、その言語化や整理の手助け、ということになります。また、実際に話してみることで、自分で話した言葉を自分の耳で聞くことで、理解が深まります。  共感や親密感などは、治療効果を認めるものの、あくまで副次的なものである、というのが僕の実感です。それらの効果は一時的なものであり、正しい理解こそ、長期的な回復を生むからです。 ○それでもダメなら薬の力を借りる  不眠であれば、睡眠薬を一時的に使用することもよいです。  眠ることで、冷静に考えることができます。  抗うつ薬や抗不安薬も有効です。 【実際には我慢している?】  我慢をしている人もたくさんいます。1~2年、冷や飯を食わされるような思いをする人はたくさんいます。くやしくて、無念で、不条理ですが、でも、そういうものなのです。  話してみると、同じ経験をしたことのある人はたくさんいます。 ○今を正しく理解する方法も有効だが、過去や未来に目をむけるという方法も、我慢しやすくなる  過去に目を向けてみると、同じような経験をした人がいませんでしたか? 今なら彼らの気持ちがわかる、というのもあるでしょう。  未来に目を向けてみると、あなたの経験は誰かの役に立つかもしれません(きっと役立ちます)。なので、出世や丘陵に反映されないかもしれませんが、隠れた叡智というものは、決して無駄になることはありません。 【休職しても構わない】  休職しても構いません。しかし、休職する前に考えておいた方がいいことを、説明しました。 参考:適応障害の治療について https://youtu.be/_1xHmz_OdUY 参考:SNSで非難する人について解説 https://youtu.be/jrNfnJAlrVw 早稲田メンタルクリニック院長として働く、現役精神科医益田裕介があなたの疑問に答えます! twitterでも質問に答えています。https://twitter.com/wasedamental HPはこちらです。オンライン診療もやっています。https://wasedamental.com/ ブログもこちらです。 http://wasedamental.hatenadiary.jp/

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