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大阪府北部地震から学ぶ(全編)

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1.はじめに  現在、日本では約2千もの『活断層』が見つかっています。  活断層では、岩盤のひずみが限界に達した時に地震が発生します。震源が陸域にあって浅い場合、被害が大きくなりやすい特徴があります。  事実、これまでに大きな被害をもたらした地震が幾度も発生しています。  その典型が、平成7年に発生した阪神・淡路大震災です。  平成30年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震も活断層による地震であったため、大きな被害をもたらしました。  ここでは、大阪府北部を震源とする地震を基に、今後も発生が予想される大規模地震に対し、どのような取組が必要なのかを学びましょう。 2.災害の概要   平成30年6月18日7時58分、大阪府北部の深さ13キロメートルの地点で、マグニチュード6.1の地震が発生しました。  この地震により大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市及び箕面市で震度6弱を観測しました。その後、8月17日までに震度1以上を観測した地震が、57回発生しています。 3.被害の概要   この地震による死者は大阪府で6人となり、うち2人は、ブロック塀の崩落に巻き込まれて死亡しています。  住家被害は、大阪府を中心に全壊21棟、半壊483棟、一部破損61,266棟という甚大なものでした。  破損した屋根へのブルーシート展張のために、自衛隊が90か所で応急対策支援を行いました。  火災は、大阪府で3件、兵庫県で4件発生しました。  この地震に伴い避難所が開設され、避難者数は、最大で大阪府が2,397人、京都府が279人となりました。  大阪府北部を震源とする地震では、ライフラインにも大きな影響が出ました」  この地震に伴い約17万戸で停電が発生しましたが、懸命な復旧作業により約2時間で停電は復旧しました。  また、都市ガスは、約11万戸に供給支障が発生しましたが、これは約1週間で復旧しました。  ガスの復旧までの期間は、阪神・淡路大震災が94日、東日本大震災が54日、大阪府北部を震源とする地震の2年前に発生した熊本地震でも、15日かかっています。大阪府北部を震源とする地震はその半分以下で復旧しています。これは復旧ノウハウの蓄積、救援体制の充実によるものと考えられます。  今後も過去の教訓を活かして、確実な防災や迅速な復旧を実現することが大切だということが分かります。 4.ブロック塀の倒壊  大阪府北部を震源とする地震で最も話題になったのが、ブロック塀の倒壊です。ブロック塀倒壊に巻き込まれ2人の尊い命が失われました。  ブロック塀倒壊の原因は、内部の鉄筋の腐食といった経年劣化等が考えられ、外観では判断できない場合もあります。  ブロック塀の倒壊事故を受け、文部科学省では地震翌日の19日に全国の各教育委員会等に対して学校におけるブロック塀の安全点検等の取組を促す通知を発出しました。  国土交通省では同月21日に『ブロック塀の安全点検のチェックポイント』を公表しました。その後、避難路沿道のブロック塀等も建築物同様に耐震診断を義務づけることができるよう『建築物の耐震改修の促進に関する法律』施行令の一部を改正しました。  このように起こってしまった悲劇を繰り返さないために、対策も進められています。 5.事業継続計画  大阪府北部を震源とする地震は、関西地方の企業に多大な影響を与えました。必要な部材料の供給が寸断されたことから、一時的に操業を中止せざるを得ない企業が相次ぎました。  そこで注目を集めたのが、事業継続計画BCPです。ある自動車製造会社では、阪神・淡路大震災等を契機に策定したBCPに基づき対策チームを被災した仕入れ先に派遣しました。復旧活動を支援した結果、翌日には工場操業を再開できました。 6.おわりに  災害の時に、事業を迅速に復旧するためにもBCPを策定することは重要です。事前に策定していたBCPが復旧に役立ったことは、多くの行政機関や企業に対しての良い教訓となり、BCP策定の重要性が認識されるようになりました。  自分たちの命を守り、社会を守るために、ここで学んだことを活かして、大規模地震に対する備えをしてください。

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