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特集「キャッチ」『医療的ケア児』 小学校に通うことで生まれた“大きな変化”

FBS福岡放送ニュース 169,535 lượt xem 1 year ago
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友達と元気に遊ぶ男の子は、日常的に人工呼吸器などが必要な『医療的ケア児』です。FBSでは、2年前から男の子が成長する姿を追いかけてきました。男の子は、小学校に入学して、大きな変化が生まれています。

■担任の教諭
「悠輝さん、元気ですか?」

■平尾悠輝さん
「はい、元気です。」

福岡県久留米市の小学1年生・平尾悠輝さんです。友達と遊ぶことが大好きで、いつも笑顔で学校生活を送っています。

しかし、ここまでの道のりは、苦難の連続でした。仮死状態で生まれた悠輝さんは、眠ると呼吸ができなくなる難病を抱えています。1日に20回以上、たんの吸引が必要な『医療的ケア児』で、起きていても何かに集中すると呼吸が止まってしまうため、呼吸器が欠かせません。家族は24時間、悠輝さんのケアで気持ちが休まることはありません。

■悠輝さんの母親・早弥香さん
「元気にしている反面、死と隣合わせなので、(寝ていても)ちゃんと起きることができるかなと。それを見過ごすと、私たちのせいということ。そういう緊張感が常にある。

小学校に入るまでの3年半、悠輝さんは、看護師が常駐する自宅近くの保育園に通うことができました。

■悠輝さん
「お友達と(小学校に)行けたらいいな。」

保育園の友達と一緒の学校に通いたいということが、悠輝さんの夢でした。しかし、福岡県久留米市の小学校では、悠輝さんのように、常に医療的ケアが必要な子どもを受け入れた例がありませんでした。

■早弥香さん
「悠輝にとって、お友達との時間が心の栄養になっている。今後も、できるだけ近いような形で、小学校生活を送り、社会性を学べたらと思います。」

母親の早弥香さんは、学校や久留米市役所に足を運び、地元の小学校に通わせてほしいと訴えました。そして、入学式直前の去年3月、状況は大きく動きました。

■福岡県久留米市教育委員会学校教育課・薄弘典課長
「悠輝くん。4月から鳥飼小学校の通常の学級で学ぶということが決まりました。」

福岡県久留米市は、国からの補助を活用するなどして、小学校に看護師を常駐させることにしたのです。悠輝さんは、友達と一緒に入学式を迎えることができました。

待ちに待った小学校での生活が始まりました。

授業中、呼吸器が外れました。悠輝さんの元に駆けつけたのは看護師です。悠輝さんが安全に学校生活を送れるように、常に見守っています。

少しずつですが、悠輝さんは、クラスメートとも、打ち解けていきます。

これまで24時間気が休まることがなかった母親の早弥香さんには、つかの間の日常が訪れました。

悠輝さんは、学校の準備を、1人でできるようになりました。小学校に通い始めた当初は、車での送り迎えを考えていましたが、悠輝さんは、友達と一緒に登校することを選びました。学校に通う中で、悠輝さんに少しずつ変化が現れてきました。

■悠輝さん
「次は先生のお話です。お願いします」

悠輝さんは、人前で堂々と号令をかけることができるようになりました。

■担任の教諭
「どの言葉でしょうか。教えてください。それでは、悠輝さんどうぞ。」

■悠輝さん
「はい、発表します。あげるとです。どうですか。」

■クラスメート
「いいと思います。」

ほかにも変化があります。悠輝さんは、授業中に呼吸器が外れても、自分で付けなおすことができるようになりました。

変化が現われたのは、悠輝さんだけではありません。この日は朝の会で、ある取り組みが行われました。

■担任の教諭
「これが、呼吸器という大切な道具です。ここに空気がすーっと入っています。これが、とても大切な道具になります。」

子ども達に、悠輝さんの呼吸器に触れてもらいます。生きるために欠かせない呼吸器について、知ってもらうためです。

■クラスメート
「(空気が)めっちゃ出ている。悠輝さんありがとう。」

悠輝さんがいることで、“相手を理解しよう”という気持ちが、周りの子どもたちに芽生えていました。

■鳥飼小学校・日野勝文校長
「周りの子が気にして、看護師さんに悠輝さんの呼吸器が付いていないことを教えています。悠輝さんがいることで、多様性を認める、人との違いを、しっかり認めていくという教育が、これからさらに大事だと思っています。」

悠輝さんは、運動会や水泳の授業など、みんなと一緒に、大切な時間を積み重ねてきました。

■クラスメート
「悠輝さんは、恐竜とゴジラと恐竜遊びが好き。あと鬼ごっこ。」

■早弥香さん
「生き生きしています(悠輝さんの)顔が、保育園の時は、周りの友達が『おはよう悠輝くん』と言っても、誰も聞こえないくらいの声で、(返事を)言っていたが、靴箱で友達を見つけたら、『おはよう』と自分から言えるようになり、社会性なのか、自分から話すとか、声をかけるとか、できるようになった。それを見た時は、うれしかったです。」

“みんなと同じ学校に通って、みんなと一緒に過ごしたい”というのが、悠輝さんの夢でした。

■悠輝さん
「Q.2年生で頑張りたいことは何ですか?計算、足し算とか引き算。」

多く人のサポートによって命をつないだ先に、友達と一緒に小学校に通うという夢がかないました。そして、教室には、かけがえのない笑顔があふれています。


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