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※関連した過去動画
【ジョン・ロック】西洋哲学史解説【認識論】【タブラ・ラサ】
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【脳白紙説】脳に先天的な構造は備わっているのか?|脳と自由意志 #1
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脳は先天的に何かの構造を持っているのか?|脳と自由意志 #2
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左脳と右脳は別人格なのか?|脳と自由意志#6
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管理者がいないのに脳が正常に動く理由|脳と自由意志#7
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<わたし>の根源は左脳にある?|脳と自由意志#8
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未来は数式で予想できるのか?|脳と自由意志#9
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無秩序から秩序が生まれる仕組み【創発】|脳と自由意志#10
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<わたし>はどこにあるのか|書評 脳と自由意志#11
https://youtu.be/HngIjRW8aX4
※書籍
〈わたし〉はどこにあるのか――ガザニガ脳科学講義
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動画の書き起こし版です。
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こんにちは。哲学チャンネルです。
これまで、西洋哲学と中国思想についての解説をさせていただきました。
中国思想に関しては、チャンネルの性質と若干ズレがあったのか、
西洋哲学を取り上げたときよりも反応が少なくはありましたが
そういうことは気にしないで発信するスタンスですので、
これはこれで良かったと思っています。
今後、主要な宗教思想の解説・日本の思想解説などをしつつ
今まで通り書籍の紹介などもしていこうと考えています。
ただ、それらの前に少し趣を変えて『脳と自由意志』について触れたいと思ってしまいました。
思ってしまったが最後、
これも難解かつ興味の幅が限定される話題ですので
反応が薄くなる気しかしないのですけど
しばらくの間、シリーズとして発信することにしました。
全体の流れとしては【<わたし>はどこにあるのか】という
ベストセラーになった書籍をベースに、
10回超ほどに分けて最新の神経科学、心理学について解説をします。
『自由意志はあるのだろうか?』
『決定論は正しいのだろうか?』
『道徳は生得的に備わっているのか?』
西洋哲学をはじめとした世界中の哲学者が挑んだ命題に
現代の科学はどのような立場をとっているのか?
主に科学側からのアプローチで解説をしていきますが
その結論や仮説には過去の哲学者の思想と類似するものも多く
哲学が好きな方にも楽しんでもらえると思っています。
また、シリーズとして構成しますので、
#1、#2というように、一応ナンバリングがされます。
しかし、それぞれのテーマを単発でご覧いただいても
それなりに理解できるように作るつもりですので、
全部とは言わず、ご興味があるものだけでもご覧いただけると嬉しいです。
次回より、【<わたし>はどこにあるのか】をベースにして
詳しい内容の解説をさせていただきますが、
今回はその導入として本書のテーマなどを少し話します。
【<わたし>はどこにあるのか】の著者である『マイケル・S・ガザニガ』は
カリフォルニア大学の心理学教授で、認知神経科学の代表的人物でもあります。
今でこそ、
『脳は色々な機能を持つ部位の集合体である』
『右脳と左脳は違う性質を持っている』
などの事実が一般にも知れ渡っていますが、
実はほんの100年ほど前まではそれは一般的ではありませんでした。
脳味噌は大きければ大きいほど優秀になると考えられていましたし
それぞれの機能が局所的に点在しているとは考えられていませんでした。
17世紀。
ジョン・ロックは『人間の心は白紙状態(タブラ・ラサ)である』と主張しました。
人間は全くの白紙状態で生まれてきて、そこに経験が加わることで
それぞれの人格を形作っていくと考えたわけですね。
この思想は近代哲学におけるイギリス経験論に引き継がれます。
そして脳への理解も、つい最近までは『白紙説』が優位に立っていたのです。
それを覆したのが『認知神経科学』です。
例えばガザニガ教授は多数の猿による動物実験や、
てんかんの治療のために左右の脳の連絡器官である【脳梁】を切除した
【分離脳患者】に対して様々な実験をすることで、
左脳と右脳の関係を明確にしてきました。
認知神経科学の進歩によって、人間の自由意志は否定されようとしています。
私たちが<わたし>だと思っているもの。
デカルトが『我思うゆえに我あり』と言ったその主体。
それは自分という器を操縦する主体的な存在ではなく、
器が自動的に動いた結果、後付けでその行動の理由を設ける左脳の感覚でしかない。
そう結論付けます。
例えば、今目の前にあるこの画面をブラウザバックするとき。
それは<あなた>という主体が決断してそうしたのではなくて、
ブラウザバックしたという事実を左脳が解釈した結果、
『意図してブラウザバックした』という感覚が連続的に感じられているだけなのです。
信じられないですよね。
わたしも信じられません。
仮に自由意志がないとすると、少し困ったことになります。
それが決定論です。
この世で起こることはあらかじめ全て決められている。
スピノザをはじめとして、決定論を支持する哲学者も数多くいます。
決定論が正しくて、自由意志がないのだとしたら、
人間が犯す罪を裁く意味はあるのでしょうか?
決定されていることに個人の責任はあるのでしょうか?
裁くことすら決定論に包括されるから考えても意味がないことなのでしょうか?
実はこの問題は現代の大きな哲学的テーマの一つでもあります。
本書では、この閉塞感をノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンの
【創発】という概念を採用して切り崩していきます。
そして『自由意志がない』と仮定した後のわれわれは
それについてどのように向き合えば良いのか?
そんなことについて、少しずつ紐解いていきたいと思います。
大変難しいテーマですので
なるべく細かく噛み砕いて、わかりやすく解説できれば幸いです。
また、未解決の要素が多い分野の解説ですから、
解釈が違うと不快に思われることもあろうかと思います。
そういう意味でも、ぜひ一緒に『わたしはどこにあるのか?』について
考えていただければと思っています。
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#わたしはどこにあるのか
#マイケル・S・ガザニガ