はだか男達の渦。立ちこめる熱気。
1200年以上の歴史を誇る 天下の奇祭「国府宮はだか祭」。
愛知県稲沢市で行われてきました。
これは44年前、1980年の映像です。
(当時のオンエア)
「午後4時半過ぎ、いよいよ神男の登場です」
この年、参加したはだか男はおよそ6600人。
(当時のオンエア)
「激しいもみ合いの末、4人のけが人が出たのをはじめ、迷子が23人もでましたが、騒ぎに紛れて他人の懐を狙ったスリ1人も捕まっています」
祭りの熱気はずっと変わらず、毎年神社周辺は独特の空気に 包まれてきました。
ところが、1989年は大きな変化が。
参加者全てが服を着ての祭に。そのわけは…
(当時のオンエア)
「今年は昭和天皇がお亡くなりになったことで 裸で厄落としの笹を神社に奉納することを禁止したため、神男も白装束姿で登場となり、はだか男のいないはだか祭となりました」
一方、祭りの激しさを象徴する出来事が2003年に。
(会場アナウンス)
「けが人を搬送します」
はだか男たちの激しいぶつかりあいで、この年、2人が肋骨を折る大けがをしました。
それでも、神男に触れ、厄を落としたいと、各地から国府宮をめざし集まる人々…
その熱気は参道の人たちもいて、作り上げられるものです。
2009年は、参加したはだか男の数は大台の1万人に。それを一人で受け止めなければならない神男。
命をかけて挑む一日といっても 言い過ぎではないのです。
毎年厳しい冷え込みの中で行われる国府宮はだか祭。
雪の日も雨の日も…その伝統は守られてきました。
ところが…
(2020年)
(国府宮 角田聖人 権禰宜)
「苦渋の決断ではありますが、こういう状況下なので中止にさせていただく」
2021年、2022年は、新型コロナの感染拡大で「もみ合い」が中止に。
神男は、昭和天皇が崩御された1989年以来、服を着て神事に臨みました。
そして、去年…
3年ぶりの「もみ合い」です。感染対策による制限で参加者は過去最少の1730人となりましたが、もみあい復活に多くの人が笑顔に…
(2023年)
(観客)
「また始まったと思って、うれしい」
こうしたさまざまな困難を乗り越えて、4年ぶりに制限なし、通常開催となった2024年。
ことしは、儺追笹奉納(なおいざさほうのう)に女性が初めて参加。
国府宮はだか祭は新たな時代に入りました!