スピードスケートで冬季オリンピックへの出場を目指す女子中学生が福岡県太宰府市にいます。
過酷なトレーニングと競技にかける思いを取材しました。
ショートトラックで日本記録を9年ぶりに更新した「逸材」
腹筋や…片方の足でスクワット。
余裕の表情で過酷なトレーニングをこなすのは福岡県太宰府市に住む大原陽菜さん。
14歳の中学2年生です。コーチ
「ゆっくりゆっくり」「これ10回やるまでカメラ止まらないから」陽菜さんが取り組んでいるのは、スピードスケート。
周囲からは将来が楽しみな「逸材」と言われています。今年3月に長野県で行われたショートトラック女子3000メートル。
赤いスーツを着た陽菜さんは、序盤、集団の中ほどを滑っています。終盤で集団を抜け出し、最後は独走状態でゴール。この滑りで、これまで24歳の女性が持っていた日本記録を9年ぶりに更新し、史上最年少の日本記録保持者となりました。
競技を始めるきっかけは「靴紐」の販売会社に勤めていた父親
陽菜さんがスピードスケートを始めたのは小学2年生のころ。
父親が経営する靴紐の販売会社でスケート用の靴紐を取り扱うことになり、父親と一緒にリンクまで行ったことがきっかけでした。大原陽菜さん
「お父さんがスケートの靴の紐も作ってみようかなとなってからそこで(当時の)コーチに会って始める事にしました」
「かっこいいなと思って実際にみてみたら」始めたばかりの頃は氷の上に立つことさえできませんでしたが、その才能はすぐに開花します。スケートを始めてわずか1年、小学3年生の時に全国大会で優勝を果たします。その後も、各大会で優秀な成績をおさめ、今年3月に行われた15歳以下の全国大会でも500メートル、1000メートル、1500メートルのすべてを制しました。古賀あやコーチ
「天才ですね」
「とにかく一定のスピードで滑らすと永遠と速くずっと滑れるんで、小学生の時から日本のトップを争うような男子のトップ選手について走れるくらい持久力と気持ちの強い子ですね」
移動中に勉強 将来の夢は意外な職業
週6日、トレーニングに取り組む陽菜さん。
忙しい中でも、勉強時間を確保するため、移動する車の中にミニテーブルを取り付けました。大原陽菜さん
「移動時間がもったいないからその時間で勉強できるように付けました」
「たまに酔うんですけれど酔っても頑張って勉強しています」
勉強の成績はというと、テストで5教科の総合得点がクラスで1位なんだそう。
スピードスケートを引退したら就きたい職業があります。
大原陽菜さん
「CAとかなってみたいなとか思っています」
「飛行機に乗ったときにかっこいいなと思って」
そんな陽菜さんをそばで支えようと毎日のトレーニングに付き添うのは父・陽平さんです。陽菜さんの父・大原陽平さん
「私も頑張って欲しいというのはもちろんのこと本人がすごくやる気を出してやってくれているのでこちらも楽しくやらしてもらっています」
「本人がやりたいことをやってほしいと思っています」
大原陽菜さん
「いつも送り迎えしてくれてだいぶお世話になっているので感謝しています」
過酷なトレーニングが実を結ぶ 日本代表としてアジア大会へ
スピードスケートのトレーニングは氷上だけではありません。持久力や筋力を鍛える過酷な陸上トレーニングも中学生ながらにこなします。この日はバイクを使ったトレーニングを2時間かけて3セット。
陽菜さんの表情も険しくなります。コーチ「坂行っとくよ」最後は疲労で動かない足にむちをうち、坂道をダッシュします。
大原陽菜さん「吐きそう」
友達と遊ぶのは月に1度だけ。
これだけ頑張れる理由があります。
大原陽菜さん
「やっぱり自分のためだから試合で勝つためにきついときでも追い込んで頑張っています」
「将来はオリンピックで金メダルをとることが目標です」
努力を惜しまない陽菜さんに6月、朗報が舞い込みました。
ショートトラック4種目の日本代表に選ばれ、8月、アジア大会に出場することが決まったのです。大原陽菜さん
「初めての世界大会だからメダルをとれるように頑張りたいです」
太宰府から世界へ。夢の大舞台に向け、驚異の中学生が着実に歩みを進めています。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkb/1281634