「風なんだよ」
○詩&歌/岡本おさみ
○1978年リリース
○ワーナーパイオニア
A)
○さよならバイバイ
○インドのへそ
○ぼくの足は旅路の道
○夜が孤独を
○風なんだよ
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B)
○椅子
○さち
●襟裳岬
○コーヒーブルース
○グッドモーニングサンシャイン
○祭りのあと
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「風なんだよ」というタイトルがいかにも岡本おさみぽっい。
"声のセクシーな男って好き"と言われた岡本おさみが、"兎みたいな""乳房が固くなってくる"声で全編をしっぽり謳い上げる、吟遊詩人唯一のオリジナル・自己歌唱アルバム。
確かに甘くて深みのある、シャンソンでも歌いそうな声だが、その歌唱は感情に訴えるというのでもなく、クールでもある。
ジャケ裏面に印刷された曲順が実際の内容と異なっている。B面3曲目が「襟裳岬」、4曲目が「コーヒーブルース」が正解。
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●襟裳岬/
1974年の第16回レコード大賞受賞曲を、作詞家本人がカバー。こういう例は唯一無二だろう。しかも、テレビ出演拒否で、TVを媒体とした芸能界に物議を醸した吉田拓郎とのコラボで、その頂点ともいうべき賞を獲得した革命的な楽曲でもある。拓郎にとっては、天下布武の瞬間でもあったはずだ。
岡本おさみが"いつもテレビはね、 あまりにも他愛なくて、かえっておかしいね"という元々の歌詞を、吉田拓郎の物言いで"日々の暮らしはいやでもやってくるけど静かに笑ってしまおう"に変更したというエピソードは有名。
拓郎は、某TV番組の「襟裳岬伝説」の中で、この曲を「今までのどんな詩よりも、子細に渡って濃密であり、素晴らしい」と絶賛した。