パラディン騎士が統治するこの国は、隣国との同盟により、剣術において繁栄を迎えた。
しかし、この国の第二皇子は空想に耽り、新しい世界を夢見ており、剣術を学ぶことを嫌がっていた。今日、王宮議会幹部を務める師匠との特訓で剣技の必要性について議論したところ、言い争いに発展してしまった。
そこで皇子はもう剣には触れないのだと誓い、警備の目を掻い潜って王宮を飛び出した。
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下町を歩いていると、変な犬が彼の前を歩いていることに気がついた。舌を出して着いてこいと言わんばかりにこっちをチラチラと見ている。
「なんだあの犬は..」
そのとき、犬が曲がった路地裏で、
女がこちらを手招きしていた。
行く当てもなかったので、路地裏へ入ると女が皇子に話しかける。
「君、この国の皇子でしょ？」
女が興味深そうに皇子の顔を覗き込む。
「そうだけど...なぜ知ってるんだい？」
皇子は困った顔で後ずさる。
「彼が呼んでる。来たら分かるよ。」
女はそう言って、路地裏の先へと足を進めた。
皇子はいつもは疑い深いため、ついては行かないのだが、この時は何かが始まる予感がして考えるより先に足が動いていた。
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