切った後のタマネギが包丁にくっついたり、散らばったりすることなく、薄切りにされていきます。動画の再生回数は1億回以上と世界中でバズっています。今回のしずおか産は、食材の「刃離れの良さ」に優れた片刃包丁「プロシード」です。動画を投稿したのは、静岡県南伊豆町で包丁の製造などを手掛ける「Yui」の渡邉典子さんです。家庭用の包丁は両刃が一般的ですが、渡邊さんが開発したのは、家庭用の片刃の包丁です。薄切りにする時の小さなストレスを軽減してくれます。
<「Yui」渡邉典子社長>
「こちらが一般的な家庭用の包丁だが、この包丁も切れ味はいいが、キュウリの薄切りなんかをすると、まな板の上でちらかってしまうこともある」
「プロシードという包丁は洋包丁の刀身に、片刃の刃付けをしている。さらに角度にも工夫があって、そのおかげで薄切りの刃離れが良くなるように、刃付けに工夫がある」
「片刃である事と厚さと角度にこだわりがあって、包丁と食材が水分で張り付く前に毛細管現象を打ち消してくれるような角度に工夫がある。食材の水分が包丁に張り付いてってしまう現象」
渡邉さんは栃木県出身。カフェ経営の勉強のため、2014年、南伊豆町に移住し、カレー店で修業。店でマスターの使う包丁が気になりました。両刃包丁の片側だけを研ぎ、自分で片刃包丁にしていたのです。
和食の料理人などが使うイメージが強かった片刃包丁を家庭でも気軽に使うものにすれば、料理がもっと楽しくなると考えました。これが「プロシード」開発のきっかけです。
<渡邉社長>
「あ、ないなら作っちゃおうと思って、作り始めた」
150本以上の包丁を研究材料にして、試作を重ねます。新潟県燕市の包丁メーカーと契約し、片刃包丁を仕入れて、渡邉さんが最終的に調整する形で「プロシード」を完成させました。
2024年11月には、「2024グッドデザインしずおか」で、「匠賞」にも選ばれました。片刃の和包丁に洋包丁の薄さを取り入れ、両方の長所を合わせたことと、使いやすさが評価されました。
渡邉さんは全国各地のイベントで刃離れの魅力を実演、包丁のPRを続けています。2月23日の「富士山の日」にちなんだ都内のイベントにも参加しました。
<購入した来場者>
「ウチの包丁より100倍切れる」
Q. 刃離れは?
「全然違う、他の包丁でも切ってみて」
<来場者>
「いつも料理をしていて、そこが小さいことですけど、(刃離れがうまくいかなくて)嫌だなと思っていたので、それを解決してくれる包丁があるというのを初めて知ったので、感動した」
<渡邉社長>
「お父さんの声では、千切りが薄く出来るようになるので、楽しく自分も作れるので『子どもたちが野菜を食べるようになった』と、『“お父さん上手くなったじゃん”って言われたりするのが、楽しいと』それが何よりもモチベーションになってうれしい」
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/1756871