首里城(沖縄)
Shurijo (Okinawa)
沖縄県立芸術大学
Okinawa Prefectural University of Arts
入学セレモニー 2010
Entrance ceremony 2010
琉球古典音楽
Ryukyu classics music
「かぎやで風(カジャディフウ)」"Kajyadhifu"
歌詞:
今日の誇らしゃや / なほにぎやなたてる / 蕾で居る花の / 露きやたごと
『きゆぬふくらしゃや なうにじゃなたてぃる つぃぶでぃうるはなぬ ちゆちゃたぐとぅ』
'Kiyunufukurasyaya Naunijyanatathiru thibudhiuruhananu Chiyuchataguthu'
意味:
今日のうれしさは、何にたとえられようか。 まるでつぼんでいた花が、露に出会って花ひらいたようだ。
Meaning:
To what will today's gladness be compared? The flower that had closed seemed to meet dew and to have opened the flower.
エピソード:
昔、琉球の王様が、重い病にかかりました。余命いくばくもないと悟った王様は、枕元に家臣たちを呼んで、どうか世継ぎの王子をもりたて、国の安泰につくしてほしいと遺言しました。
ところがこの王子には問題がありました。口をきかないのです。王様の死後、国頭親方(くにがみうぇーかた)と城間親方(ぐすくまうぇーかた)は「口のきけない者を王にはできない」と、王子の腹違いの弟を王にたてようと画策をはじめます。
先王の遺言を守って王子の側についたのは、大新城親方(うふあらぐすくうぇーかた)ただひとり。多勢に無勢、窮地に立たされた大新城親方は、王子にむかって、「ひとことなにかおっしゃってください。このままでは、わたしは腹掻き切って先王にお詫びするほかありません」と言うと、刀を腹に
すると、
「待て大新城!」 と一声。今までひとことも口をきかなかった王子が、初めて声を出したのです。
飛び上がって喜んだ大新城親方が、踊りながら即興で詠んだのがこの歌だということです。
[参考]
「わかりやすい歌三線の世界」勝連繁雄著 ゆい出版(HP マレビト音楽室 より引用)
ありがとう沖縄