「南幌町」でマイホーム購入者続々…一体なぜ? 1坪1万2000円~助成金・子育て支援制度も充実 (22/12/10 19:30)
札幌市から直線距離で約32キロ。
いま空知の南幌町に移住し、家を新築する人が増えています。
南幌町の何が人を引き付けているのでしょうか。
札幌市でのマイホーム購入、あなたはどう思いますか?
札幌市民:「札幌市内だと高いというのは知っています」「500~1000万円、高いんじゃないかと思っている」
夢のマイホーム。いつかは建てようと思っても、札幌市の土地は10年連続で上昇中です。
札幌市でマイホーム購入のハードルが上がり続ける中、注目を集めている町がありました。
井戸 和也 記者:「南幌町の住宅街なんですが、右を見ても左を見ても建設中の住宅が建ち並んでいます」
空知の南幌町です。札幌市から直線距離で約32キロ。
北は江別市、南は北広島市に隣接しています。
農業を主な産業とするのどかな田園地帯が今、建設ラッシュに沸いていました。
移住する人が増え南幌町の人口は2022年5月、23年ぶりに増加に転じています。
どうして南幌町が良かったのでしょうか?
2022年3月、札幌市から移住した家族に密着しました。
宗万 博之さん:「子どもが生まれるのがきっかけで、広いところに住みたくなりました」
宗万博之さんの家族です。長男の浬くんが生まれたことをきっかけに、南幌町でマイホームを購入しました。
なんと170坪の広大な土地を210万円で買うことができたといいます。
1坪約12000円という安さです。その理由が…。
宗万 博之さん:「子どもがいたり、40歳以下の人は(土地を)半額で買えて、さらにそこに家を建てると200万円の助成金が出るので、実質10~20万円くらいで1区画を買えて、家にお金をかけられるので建てました」
南幌町の住宅地の地価は1区画約85坪で、400万円から500万円。
購入する際には土地代が50%オフになり、さらに子育て世代には200万円の助成金が出るのです。
宗万さんは子どもを思いっきり遊ばせようと、2つの区画の土地を購入しました。
(Q:2区画目は?)
宗万 博之さん:「のちのち公園でもつくろうかな」
南幌町で暮らし始めて9か月。通勤や買い物などに不便はないのでしょうか?
宗万さんの職場は札幌市・手稲区。車で通勤しています。
(Q:手稲区だったら高速?)
宗万 博之さん:「下道でいつも通っているので、夏だと大体50分くらい」
通勤には国道337号線を使います。50分ほどの運転の間、約30分は信号がありません。
宗万 博之さん:「国道12号線を通ると1時間じゃ行けない。国道337号線を通ればすんなり行けます。ガソリン代は月額で2万円ちょっと」
午前8時半、職場に到着。宗万さんは整骨院の院長です。院長になったのには驚きのワケがありました。
宗万 博之さん:「(整骨院を)患者さんが作ったんですよ。患者さんがいろいろ転々として『痛みがずっと消えない』ということで、たまたま僕が診させてもらった時に痛みが良くなった。10~15年くらいの痛みがなくなり感動してもらったので(患者さんが)『ひとりでやらないの?』と言われて」
宗万さんの腕前にほれ込んだ患者さんが、自分の会社に整骨院をつくり宗万さんを院長にしたといいます。
開業から半年、常連の患者さんも増えました。
(Q:自分で握った?)
宗万 博之さん:「いえ、妻が握っています」
(Q:マンションだったら?)
宗万 博之さん:「奇声をあげて毎日クレームがくる」
子どもが家の中でも遊べるようにとお風呂などの水回りは2階につくり、1階のリビングを広くしました。
買い物はほとんど休日にまとめ買いです。
この日、来たのは札幌市・清田区のコストコ札幌倉庫店。
宗万さんがこの店でいつも買うのは、何にでも使えるディナーロールとアメリカ産牛肉のミスジです。
宗万 博之さん:「やわらかくて国産よりおいしいし、でかいし、脂がのっている」
この日は、浬くんのおもちゃやバームクーヘンなどいろいろ買いました。
宗万まりえさん(29):「だいたい1回で食べられる分くらいを冷凍しています」
保存するのは冷蔵庫ではなく大型の冷凍庫。
マイホームの設計段階で冷凍庫が置ける場所を確保していました。
マイホームの設計段階で冷凍庫が置ける場所を確保していました。
宗万 まりえさん:「スーパーにあまり行けないので、子どもがいるのでまとめ買いしていっぱい冷凍したいな」
南幌町での新生活をエンジョイする宗万さん家族。
移住を決めた理由はほかにもありました。
宗万 博之さん:「子供がいる家庭に毎年10キロくれる」
役場が毎年「子育て支援米」をプレゼント! さらに…。
宗万 博之さん:「すごい、でかいです」
冬でも子どもが思いっきり遊べる巨大施設もまもなく完成!
移住を促す、手厚い子育て支援策の全貌とは?
札幌市から車で約1時間。南幌町に移住しマイホームを建てる人が増えています。
2022年3月に移住した宗万さんが向かったのは、町内のスーパーです。
宗万 博之さん:「子どもがいる家庭に毎年10キロくれる」
南幌町では「子育て支援米」として、町内の子ども1人につき毎年10キロのお米を支給していました。
宗万 博之さん:「お米食べるので、ありがたいです」
ほかにも18歳までの医療費を全額助成。
さらに高校生の通学費を最大1万円まで補助する制度などもありました。
南幌町の子育て支援策の本気度を示す施設も完成予定です。
宗万 博之さん:「すごいでかいです。子どもが屋内で遊べる施設」
2023年5月にオープンする「はれっぱ」は、人工芝や遊具を備えた全天候型の屋内施設で外遊びができない冬でも子どもが思いっきり遊べます。
土地の購入者や子育て世代に支援を手厚くしている南幌町。
その背景には何があるのでしょうか?
南幌町 大崎 貞二 町長:「南幌町の場合、平成に人口が急増した背景があります。その人たちの高齢化の割合が高い」
平成の初めに宅地造成が進み、人口が急増しましたが、約30年が経過し、当時移住した人たちの高齢化が今問題となっているのです。
南幌町 大崎 貞二 町長:「高齢化率を鈍化させたいのもある。若い世代層や子どもがいると町が明るくなる。子育て支援に力を入れているところ」
(Q:財源の確保は?)
南幌町 大崎 貞二 町長:「(支援を)続けていくことで、町づくりが始まっていける。厳しい財政状況ですが頑張っています」
町は移住者が増えることで、経済が活気づいていくことを目指しています。