「1つ1つ丁寧に確実に」“異例ずくめ”鳥取三津子新社長 JAL初「女性」「元CA」トップ 小川キャスターと対談 「空の安全」への思いは【news23】|TBS NEWS DIG
4月、JAL初の女性トップとして新たに就任した鳥取三津子社長。初めての「客室乗務員」出身でもあるなど、“異例ずくめ”の経歴が注目されています。小川キャスターが重責を担う覚悟を聞きました。
■JAL初の女性トップ「空の安全」への思い
JAL 鳥取三津子新社長
「鳥取です、よろしくお願いいたします」
小川彩佳キャスター
「新社長に就任されて3週間ほどが経ちましたが、いかがですか」
鳥取社長
「覚悟はできておりますけれども、日に日に重責を感じる日々でございます」
小川キャスター
「異例ずくめの新社長就任と報じられていますけれども…」
鳥取社長
「私自身は女性だからとか、乗務員だからとか、特別に意識していることはございませんで、一人格として受け止めています」
2024年1月、羽田空港でJAL機と海保機が衝突する事故が起こりました。
機内では瞬く間に白い煙が充満し、一時パニック状態に。すると…
乗務員
「鼻と口を覆って姿勢を低くしてください」
乗員たちは、乗客1人1人に気を配りつつも煙を吸ってしまわないよう、強い口調で呼びかけを実施。
その後、乗客と乗員合わせて379人全員が衝突から18分ほどで脱出しました。
鳥取社長
「起こり得る、いろんな状況を盛り込みながら訓練をしていますので、すぐに動ける1つの大きな要因だったのではないかなと」
小川キャスター
「『奇跡の脱出劇』とも言われていますよね」
鳥取社長
「海保機の方は大変残念なことになりましたけれども、運航乗務員も客室乗務員も冷静に、そのときに出来得る対応を使命感を持って果たしてくれた」
鳥取社長が入社した1985年は、日航機の墜落事故が起きた年でした。
鳥取社長
「まさに御巣鷹の事故の年なので、(現在は)ほとんどこれを経験した者がいないわけですので、伝えていくということが大きいかなと。御巣鷹山には何度も登ったことがありますし、2度と繰り返してはいけないものだと毎回誓っている」
その上で今後、航空業界全体で取り組むべき課題については…
鳥取社長
「業界全体で安全を脅かすような事例も他に起こっているところもありますので、1つ1つ丁寧に確実に、安全をないがしろにせず守っていく」
小川キャスター
「例えば、管制官とのやり取りがアナログな部分があったことなど、課題として挙げられていますが」
鳥取社長
「明らかに不足している部分があれば、もっとデジタルだったり、フェイルセーフ(安全維持機能)のようなものを生かしながらやっていくという、もっとやるべきことは弊社にもあるのではないかと思います」
JAL初の女性トップを務める鳥取社長。インタビューの終盤、抱負をこう話しました。
鳥取社長
「『最初の人』になるとしたら、私の役割は大きくて重責だなと思いますし、私がこの立場になったことで『私もできるんじゃないか』と思う方が少し増えたかもしれないかなと思いますし、そうあってほしいなと」
■増えない女性管理職 G7 で最下位
小川キャスター:
「最初の人」としての重責という言葉がありましたが、男性社長よりもむしろそう思っているところがある、思わざるを得ないところがあるとおっしゃっていたのもとても印象的でした。
日本では、要職に就いた人が失敗したときに、男性だったら「“あの人”は駄目だった」と言われるところを、女性だと「やっぱり“女性”は駄目だった」と(言われてしまう)。女性としての属性が急に肥大化するところがあるように感じていて、だからこそ、こういう言葉が出てくるのかなと思ったんですよね。
小説家 真山仁さん:
周りがプレッシャーをかけてしまうので、ニュースとして「女性」というのを取り上げるのはやめるべきだと前から思っています。そういう意味では教科書通りで素晴らしい回答をされていると思います。
小川キャスター:
女性役員の割合をG7の各国で比較してみても、日本は最下位の15.5%にとどまっています。
【G7 女性役員の割合】
フランス 45.2%
イタリア 42.6%
イギリス 40.9%
ドイツ 37.2%
カナダ 35.5%
アメリカ 31.3%
日本 15.5%
こうした環境があるからこそ、“女性”新社長という肩書きが大きくクローズアップされるのかと思います。
トラウデン直美さん:
こうした事実があるからこそ重責を感じるでしょうし、ニュースにもなると思いますが、見えないところで機会を奪われてしまっていることはたくさんあると思います。
そういったことが少しずつでも減っていかなければいけないと思いますし、鳥取社長のような方が出てくるからこそ、ブレークスルーしていくところもあると思うので、全体の流れとして今後に期待したいです。
小説家 真山さん:
30代、40代の女性の社員の比率を上げないと、役員の比率を1:1にすること自体にも無理が出てくると思います。
ワークシェアリングなど、“女性が働きやすい環境”の根本にフォーカスをあてることで「女性の社長は珍しくない」という社会になってほしいです。
小川キャスター:…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20240425-6153307)
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