埼玉県八潮市で起きた大規模な陥没事故から1週間です。捜索の妨げとなっている“湧き出る水”を減らそうと大規模な節水が呼び掛けられましたが、現場では新たな問題が見つかり、作業の進展が見通せない状況になっています。
救助活動を阻む水は4日も湧き出ています。地上ではマンホールから水中ドローンを投入し、下水道管の内部を調べようとしましたが、予想を超える水量で進めず、調査を断念。埼玉県は“一段強めのお願い”時間を区切っての水の使用制限を呼び掛けました。
埼玉県 大野元裕知事
「午後2時~午後5時まで可能な限り水の使用を控えていただき」
陥没現場付近は埼玉県東部の多くの下水道管が集まるところにあり、対象は関連する12の市と町、約120万人に及びます。
八潮市のラーメン店は要請を受け、午後3時までの昼の営業時間を午後2時までに短縮。使用後の食器は千葉県内の店舗に運んで洗います。
との丸家 八潮店 椿愛さん
「午後2時~午後5時が水を使わないよう要請が入っているので、午後2時~午後5時までお休みいただいている」
陥没現場から30キロほど離れた幸手市も、一部が節水要請の対象です。店内で調理した総菜を販売しているスーパーでは…。
オータニ 幸手店 黒川正明店長
「油がすごくはねるので、入り口の方まで清掃するが、毎日やるところを半分で抑え、残りは明日の午前中に」
とはいえ、夕方の調理をなくすことはできません。
オータニ 幸手店 黒川正明店長
「特に総菜は夕方の揚げたてがお客さんに喜ばれるので、どうしてもその時間帯に揚げなきゃいけない」
衛生面にも頭を悩ませます。
オータニ 幸手店 黒川正明店長
「何かあった時のことを思うと(清掃は)欠かせない。衛生面が一番大きいですね。正直すごく近いところではないので実感はないですが、協力できるところは協力していこうと」
幸手市に住む70代の女性も…。
野澤アサ子さん(77)
(Q.これはきょうの昼食)
「そうです」
(Q.なぜカップ麺に)
「洗わなくて済むから」
浴槽に残った水は長いホースを使って庭に…
野澤アサ子さん
「少しでも下水の利用を減らしておけば、多少は協力できるかなと」
今回の水の使用制限について、県は「現場付近の水位の変化を確かめるため」と説明していますが…。
埼玉県 大野元裕知事
「水位の低下について期待された効果は得られなかったが、一定程度、効果が見られた」
その理由については…。
下水道事業管理者 北田健夫氏
「『午後2時~午後5時は使わないでください』とお願いをしたがために、その後ではなく、前に排水作業があったのかなと」
さらに新たな課題も。湧き出した水が周囲を浸食し『ボックスカルバート』と呼ばれるコンクリート製の用水路が崩れる恐れが高まったというのです。県は、今後の救助活動を行ううえで、この撤去が最優先だと説明しています。節水要請を5日以降も続けるかどうかについては引き続き検討するということです。
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