三重県鳥羽市の「海の博物館」では2月1日、昔ながらの「手すき」による板のり作りの体験会が行われました。これは、1960年代中頃まで行われていたのり作りを体験してもらおうというもので、この日は19人が参加。
鳥羽市でとれたのりを水洗いし包丁で細かく刻んだあと、木の枠に流し込み、縦横20センチほどの板状にしていきました。ここでも海苔の値上がりについての声が聞こえてきました。
(参加者)
「のりの値段が上がっていくと食べづらい」
(参加者)
「のりは高くて買えない」
「昨年は海水温が下がらず不作だったが…」
三重県で作る海苔の生育状況は実際どうなのか?伊勢市の業者に伺いました。
(MSK水産 豊田有基代表)
「去年は不作だった。海水温が高くて漁期が例年よりも遅いスタートだったが、ことしは三重県全体で豊作」三重県ではここ数年、海水温が高い状況が続いたことなどから、のりの生育に悪影響を及ぼし、2021年には生産量が過去最低となりました。
しかし、ことしは年明けから伊勢湾周辺の風が強く海水温が下がったことや、暑さに強い海苔の品種改良を進めてきたことが功を奏し、量、質ともに良い出来だと言います。
MSK水産では1日に15万枚の出荷を見込んでいます。その一方で…
それでも…のり1枚24円→30円超
(MSK水産 豊田有基代表)
「有明海の近年の不作で、三重県の単価が上がっている」
全国有数ののりの産地、九州・有明海(ありあけかい)ののりの不作の影響は3年ほど前から続いていますが、三重県の海苔の値段にも波及し、去年は1枚24円から25円だったものの今年は30円を超えるまでに値上がり。燃料費の高騰などの影響もあるため、三重県では豊作でも消費者にとってはその恩恵をあまり感じられない状況がしばらく続きそうです。
地元漁協は生産者側の思いをこう代弁します。
(伊勢湾漁業協同組合 黒田秀夫参事)
「(一昨年と比べ)1.5倍以上値上がりしている。燃料なども値上がりしているので、どうしてもそれくらいは上げないと生産者も経営していけないというのが現実」
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