かつて、東海道新幹線の豊川付近の車窓から見える富士山を「最遠望」として紹介しましたが、そこより4 km遠い場所(愛知御津駅付近、御津山に遠景の山並みが隠れる直前の地点)が正しい最遠地点でしたので、「真の【最遠望】」の富士山遠望ビデオに更新します。
この撮影は2025年2月13日、東海道新幹線下り「こだま729号」の車窓(山側、E席)から行いました。豊橋駅を過ぎて豊川付近から 愛知御津付近の間ので富士山の白い山影を、新幹線から見ることができた様子をiPhone13Proの望遠モードで撮影し、展望シミュレーションができるソフトウェア「カシミール3D」の画像を重ねたものです。
【引用文献と富士山遠望に関する背景情報】
栗原景氏の著書『東海道新幹線沿線の不思議と謎』(実業之日本社、2020年、p.90)では、「上り列車に乗っていて最初に富士山が見えるのは、理論上、豊橋の西、豊川付近とされるが、現実的には…」と記述されています。このことから、豊川付近で東海道新幹線の車窓から富士山が見えることは、あまり知られていないといえるようです。確かに、晴天の日でも容易に見られるものではなく、動いている新幹線から見るには相当な強運が必要です。
田代博氏は『地理』2017年12月号の記事において、富士山の最遠望地点について「豊橋を過ぎ、在来線の愛知御津駅付近です。証拠写真を撮るのが大きな課題です」と記しており、この付近での富士山観測が難しいことが改めて分かります。
【補足情報】
昨年作成して公開した、間違った最遠望ビデオは
https://www.youtube.com/watch?v=KeytUX1S53c
においてあります。